北九州市旧大阪商船

北九州市旧大阪商船_c0112559_13473734.jpg
 門司港に来たらまず目につく、門司レトロを代表する大正時代の建物です。鉄筋コンクリート造りですが、オレンジ色のレンガタイルを表面に貼り、白い石状の帯のファサードと八角形の塔屋がレトロ感を醸し出しています。窓の形式や塔屋の意匠から、セセッションの影響を受けているとか。

 塔屋は当時、関門一高い塔で、夜間は灯台の役割もしていたそうです。 現在、三井船舶と合併し、商船三井となっている旧大阪商船は、1884(明治17)年創業の老舗の商船会社で、この建物は大陸航路の待合室として多くの旅行者で賑わっていたそうです。

 現在は北九州市の所有で、1階は休憩所と演劇、音楽会、美術展、生花展など多目的ホール「海峡浪漫ホール」。2階は北九州市出身のイラストレーター「わたせせいぞう」のギャラリーや海、港、船をテーマにした海事資料室として利用されています。

 設計は大阪香雪美術館・村山邸など、大阪で活躍した建築家であり事業家の河合幾次。登録有形文化財の木造、一部コンクリート造2階建て、塔屋付。
 
北九州市旧大阪商船
旧大阪商船門司支店 1917(大正6)年
登録有形文化財
設計 : 河合幾次
施工 : 内海鶴松
北九州市門司区港町7-18
撮影 : 2008.5.2 & 5.3
北九州市旧大阪商船_c0112559_1349012.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_13494779.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_13502543.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_13504096.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_13505861.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_13512886.jpg
 案内板には、木造2階建(一部レンガ型枠コンクリート造)とありましたが、一見すると総コンクリート造りか煉瓦造りに見えます。
北九州市旧大阪商船_c0112559_13532337.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_13533494.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_13534729.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_1353586.jpg
 ところが側面から裏面に回ると、煉瓦が貼ってないモルタル仕上げ。特に最後の2枚は旧門司三井倶楽部から撮影したものですが、まったく別の建物に見えます。というか、この眺めは気に入りました。
 昔は側面、背面には他の建物が隣接していたため、装飾は不要だったとか。
北九州市旧大阪商船_c0112559_13572914.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_13573947.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_13574848.jpg
 待合室の雰囲気が残る1階。それにしてもこれが木造?
北九州市旧大阪商船_c0112559_1402288.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_1403195.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_1404149.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_1405116.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_1413282.jpg
 塔屋の階段室は、木造を納得。
北九州市旧大阪商船_c0112559_1424276.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_1425468.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_14392.jpg
 2階はギャラリーと海事資料室です。入館は無料ですが「わたせせいぞうギャラリー」だけは有料で、確か100円でした。
北九州市旧大阪商船_c0112559_1454948.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_146549.jpg
北九州市旧大阪商船_c0112559_1462339.jpg

by gipsypapa | 2008-09-17 14:11 | 建築
<< ホームリンガー商会 旧JR九州第一庁舎 >>