日本聖公会京都地区 ウィリアムス神学館

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 聖アグネス教会から烏丸通を南下したところに、昭和初期の洋館があります。やはり平安女学院関連のニコルス師が京都地方監督に任ぜられた際に建てられた住居。現地にある石碑やネット情報ではウィリアム師旧邸となっていますが、ウィリアムス師は1910年(明治43年)に亡くなっていることから、このブログでは「近代建築散歩」京都・大阪・神戸編に記載の旧二コルス邸を採用しています。

 烏丸通から少し奥まった場所にあって通りから見えにくいためでしょうか、ネットなどではあまり紹介されていませんが、私好みの瀟洒なジョージアン様式の木造住宅です。

 当初はアメリカ人の宣教師で長崎や京都で布教を行い、日本聖公会初代監督に就任したS.M.ウィリアムスにちなんだウィリアムス氏記念館でしたが、現在は日本聖公会京都教区主教邸・ウイリアムス神学館として使用されています。木造2階建て、屋根裏部屋付き。

 なお、設計者の上林啓吉はガーディナー建築事務所に最後までいた人物です。ガーディナーと共同でオランダ大使公邸、スペイン大使公邸などを担当しましたが、ガーディナーの死後に独立しました。独立後は宇都宮聖ヨハネ教会、日本聖公会秋田聖救主教会、日本聖公会福井聖三一教会など優れた教会建築を手がけています。

日本聖公会京都地区 ウィリアムス神学館
旧二コルス邸 1931(昭和6)年
設計 : 上林啓吉(上林建築事務所)
施工 : 不明
京都市上京区烏丸通下立売上ル桜鶴円町380
撮影 : 2008.1.3
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 烏丸通に面した敷地の入口。右に見える石碑にシ・エム・ウィリアム師旧邸と刻まれた石碑が見えますが、奥にこのような洋館があるようには見えません。
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 入口には普通の建物があります。ここを通り過ぎて・・
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 敷地の奥に入ると瀟洒な洋館が見えます。木造にドイツ壁を持ったわたし好みの住宅建築です。ジョージアン風の窓の意匠も美しい。
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 白を強調した玄関ポーチ。
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 玄関脇にあるベイウィンドウも白の木製窓枠。
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 木造とレンガ造りの違いはありますが、煙突の配置や窓のデザインは、ヴォーリズの同志社アーモスト館を思い出させます。ちなみにアーモスト館ももう少し北の同志社キャンパスにあるわけです。
by gipsypapa | 2008-05-13 16:14 | 建築
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