NTT西陣別館事務棟

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一見してそんなに古い建物とは思えませんが、実は大正10年竣工。セセッションの香りのある、当時としては斬新な意匠です。正面アーチ状突出部の裸婦像と建物上部に飾られたライオン像が特徴的です。

 設計は東大建築科卒の逓信省技師の岩本禄。天才的といわれた建築家です。わずか3点(西陣分局、青山電話分局、箱根観光旅館)とはいえ、名作といわれる作品を残して29歳で夭逝した岩本の唯一現存する建物。

 鉄筋コンクリート造の3階建て、壁がレンガ造の混合造。3階柱廊の柱は当時、木造だったそうですが、現在は鉄筋コンクリート造となっています。国の登録有形文化財。

TT西陣別館事務棟
旧・京都中央電話局西陣分局舎 1921(大正10)年
登録有形文化財
設計 : 岩本禄(逓信省営繕課)
施工 : 安藤組
京都市上京区油小路中立売下ル甲斐守町97
撮影 : 2008.1.4
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 完成当時、乙女たちは建物の前をうつむいて足早に通過したとか。なぜなら壁面に裸婦のトルソーがあったからだそうです。
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 正面の前の道幅が狭いので、あまり良いアングルでは撮影できません。上部のライオン像はこの角度からがやっとです。
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 一方、側面には太い列柱が並ぶ古典主義風。
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by gipsypapa | 2008-05-08 10:58 | 建築
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