善峯寺(よしみねでら)は平安中期の長元2年(1029)源算上人により開かれた古刹。西国三十三所観音霊場の第20番札所として参拝客が多いところです。 観音堂右手の石段を上った一画には鐘楼、護摩堂、経堂、多宝塔(重要文化財)、開山堂、遊龍の松(天然記念物)、桂昌院廟、十三仏堂などがあり、そこからさらに上ったところに釈迦堂、阿弥陀堂。境内のもっとも奥には薬師堂(奥の院)、青蓮院宮墓地などがあります。 京都西山 善峯寺 京都市西京区大原野小塩町1372 撮影 : 2019.6.4 山の斜面に諸堂が散らばっています。城の石垣のようです。 上ったところにある鐘楼堂(つりがね堂)は江戸時代中期に、桂昌院が徳川5代将軍綱吉公の厄年にあたり寄進されて建立されたものです。、“厄除けの鐘”と云われているそうです。 鐘楼堂 1686(貞享3)年 京都府指定文化財 設計・施工 : 不明 そのすぐ脇にある護摩堂。本尊は五大明王(不動・降三世・軍荼利・大威徳・金剛夜叉の五尊)で、これも鐘楼堂のしばらく後の元禄5年に桂昌院により建立されました。 護摩堂 1692(元禄5)年 京都府指定文化財 設計・施工 : 不明 護摩堂から少し上った一帯は見所満載です。国の天然記念物の遊龍の松遊龍の松は桂昌院お手植えだとか。 五葉松で樹齢600年以上、全長37mで地を這うように伸びる巨大な松。 奥に主幹が見えています。 臥龍の遊ぶ様に見えることから、安政4年に、花山前右大臣家厚公により〝遊龍〟と命名されたそうです。 元は全長50mあったそうですが、25年ほど前に松くい虫の被害にあい、15mほど切断されたとか。 善峯寺のシンボルとして、日本一の松として愛されています。 このパノラマ写真はネットから借用しています。 この一帯には2棟のお堂が並んでいます。多宝塔も江戸時代初期の建立。賢弘により再建されたもので、檜皮葺の三間多宝塔で本尊は愛染明王です。国の重要文化財に指定されています。 多宝塔 1621(元和7)年 重要文化財 設計・施工 : 不明 その横にあるのは経堂。これも江戸時代中期に桂昌院により寄進されたお堂です。傅大士(ふだいし)という西暦6世紀このの中国南北朝時代の僧を奉安し、鉄眼版一切経(てつげんばんいっさいきょう)が納められているそうです。 経堂 1705(宝永2)年 京都府指定文化財 設計・施工 : 不明 扉が開いていました。興味深い内部へ。 六角の柱に引き出しがぎっしり並んでいます。鉄眼版一切経が入っているんでしょう。 鉄眼版一切経は仏教百科事典ともいわれるものだそうです。 古来インドで出来た経文は梵文で、これを中国語に訳した高僧が玄奘三蔵法師達で、日本に広めたのが鉄眼禅師だそうです。 手前は経堂、向こうが多宝塔。 東側の山道を進むと開山堂があります。開山源算上人の廟所で、上人117歳の尊像が祠られています。 開山堂 1685(貞享3)年 京都府指定文化財 設計・施工 : 不明 開山堂は眺望が良いところです。遠くに京都の街が見えています。
by gipsypapa
| 2019-07-24 08:39
| 建築
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