松尾大社境内には「松風苑(しょうふうえん)」として、昭和50年(1975年)に完成した神苑があります。松風苑は「曲水の庭」次に「上古の庭」、最後に「蓬莱の庭」の三つから成っています。いずれも近代の作庭家、重森三玲(しげもり みれい、1896 - 1975)の最晩年の作です。昭和の日本庭園を代表するものの1つといわれます。 今回は上古の庭です。松尾大社の裏山にある磐座(いわくら)は、本来は神のいる場所のことでしたが、徐々に石そのものを神体として祭祀の対象とするようになったそうです。上古の庭は磐座信仰を主題にして作られていて、人の手を感じさせないことを意識して作られた庭です。 松尾大社 松風苑「上古の庭」 1975(昭和50)年 作庭 : 重森三玲 京都市西京区嵐山宮町3 撮影 : 2019.5.7 神像館に向かって右の奥にあります。 この角度から見ると自然な感じで、作られた庭には見えません。 植えてあるのはミヤコザサ。イネ科のタケ・ササ類で、名前は京都の比叡山で発見されたことによるそうです。 「重森三玲が最後にたどり着いた無我の境地」といわれていますが、自分には高尚過ぎるようです。 ネットにあった裏山から撮った写真を借用しています。ここには行けませんでした。 再び重森千青氏の解説。 なお、ネット情報によると、今年2019年の6月15日~9月14日までの3ヶ月間は葵殿、神像館とその周りの回廊の改修工事のため、上古の庭の拝観はできないそうです。お気をつけください。
by gipsypapa
| 2019-06-25 08:19
| 庭
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