平安神宮 社殿(その1)

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このエリアは1895(明治28)年に平安遷都1100年を記念して京都で開催された第4回内国勧業博覧会の会場として整備されたそうです。会場の背後に平安宮大極殿院を模して桓武天皇を祀る本殿が建てられ、神社施設とされたとか。全国からの募金により建設されたそうで、設計は宮内省技師の木子清敬(きこきよよし)及び帝国大学大学院生だった伊東忠太(いとうちゅうた)。施工は清水組です。

しかし、1976(昭和51)年に平安神宮放火事件が発生し、本殿や内拝殿など9棟が炎上、焼失しました。ただ、外拝殿である大極殿は延焼をまぬがれています。3年後には再び全国からの募金によって、本殿や内拝殿は再建されています。

平安神宮の建築は、古代建築の知見と京都の建築技術を集積していて、高い意匠的価値が認められ、京都の建築的伝統を支えた事業の一つとして、5棟が国の重要文化財に、14棟が有形文化財に登録されています。

平安神宮
京都市左京区岡崎成勝寺町10
撮影 : 2019.4.30
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岡崎公園側から北に門があります。
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手水舎ですが龍とかの吐水口がないのは珍しい。

應天門
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應天門(おうてんもん)は平安神宮の神門です。平安京大内裏の正庁朝堂院の南面正門を再現したもので、碧瓦の美しい建物です。第4回内国勧業博覧会のモニュメントとして、平安遷都1100年にあたる明治28年に大極殿等と共に造営されました。

應天門
1895(明治28)年
重要文化財
設計 : 木子清敬(宮内省技師)、伊東忠太(帝国大学大学院生)
施工 : 清水組
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広大で平坦な境内です。
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應天門を入って左側は衛士詰め所。その向こうに見える西門及び西外廻廊は国の登録有形文化財。
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平安神宮には狛犬がいません。応天門をくぐると、左右に虎と龍の像が立つ手水台があります。これは白虎。
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右は青龍。

額殿・神楽殿
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その奥、左は額殿。規模や構造は右側に建つ神楽殿と同一ですが,内部は異なるそうです。西面で廻廊に接続しています。参拝者の休憩や講演などを目的とした建物で,境内景観上欠くことができないとして、国の登録有形文化財に指定されている、木造平屋建て。

額殿・神楽殿
1940(昭和15)年
登録有形文化財
設計・施工 : 不明
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こちらは対称の位置に建つ神楽殿。
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天皇陛下御在位六十年記念碑。「遠つおやの しろしめしたる 大和路の歴史をしの びけふも旅ゆく」は昭和天皇の御製です。

白虎楼・蒼龍楼
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白虎楼は東方の蒼龍楼と共に、裏松固禅(うらまつこぜん)の『内裏図考証』などを参考に木子清敬(きこきよよし)と伊東忠太(いとうちゅうた)の設計で平安京朝堂院の様式を模して造営されたもの。

規模は延暦の原型に比較して8分の5の大きさに縮小されているそうです。蒼龍白虎の名称は「この京都が四神(蒼龍・白虎・朱雀・玄武)相応の地」とされたことに因むものです。国の重要文化財。

白虎楼・蒼龍楼
1895(明治28)年
重要文化財
設計 : 木子清敬(宮内省技師)、伊東忠太(帝国大学大学院生)
施工 : 清水組
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龍尾壇(りゅうびだん)は大極殿南庭左右の蒼龍・白虎二楼の南前に一段高く造られ、左右・両端の四ヶ所に3段の石段が設けられています。
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蒼龍楼も白虎楼と同型です。
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東西歩廊も1895(明治28)年建立の重要文化財。
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大極殿の前にある右近の橘。
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左近の桜。写真はネットから借用しています。

大極殿
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平安京の大内裏の正庁朝堂院の正殿で、即位や朝賀をはじめとした、儀式が行われる中枢です。大極とは、宇宙の本体・万物生成の根源を示す言葉で、不動の指針北極星に比定され、天皇の坐す御殿を意味するそうです。1976(昭和51)年の平安神宮放火事件で本殿・内拝殿など9棟が炎上、焼失しましたが、外拝殿であるこの大極殿は延焼をまぬがれました。国の重要文化財の木造平屋建て。

大極殿
1895(明治28)年
重要文化財
設計 : 木子清敬(宮内省技師)、伊東忠太(帝国大学大学院生)
施工 : 清水組
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これより向こうは撮影禁止です。
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奥にある内拝殿。これと次の写真はネットの写真を借用しています。
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本殿です。これらは焼失したため再建されたもの。
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應天門より更に離れた南側にあるランドマークの大鳥居。写真はネットから借用しています。国の登録有形文化財です。

このあと神苑に行きますが、そのエリアにある建物の紹介は最後に。

by gipsypapa | 2019-06-11 08:14 | 建築
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