出雲大社(その3)

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出雲大社(いずもおおやしろ、正仮名遣いでは「いづもおほやしろ」/ いずもたいしゃ)は、祭神が大国主大神。式内社(名神大)、出雲国一宮で、旧社格は官幣大社です。

境内は玉垣、瑞垣(廻廊)、荒垣の三重の垣根に厳重に守護されています。今回は出雲大社の最終回。玉垣の中の建造物を外から見て廻ります。

出雲大社
島根県出雲市大社町杵築東195
撮影 : 2019.3.23
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八足門(やつあしもん)。門の内側には楼門と回廊が取り巻き、その内側に本殿があります。すなわち御祭神である「大国主大神」は二重の門で守護されているわけです。八足門は、門を支える本柱4本を軸として前後に4脚の控え柱が備えられた八脚門です。国の重要文化財。

八足門
1667(寛文7)年 / 1744(延享元)年移設
重要文化財
設計・施工 : 不明
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これとその次の写真はネットから借用しました。
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八足門の彫刻は左甚五郎の作と伝えられています。
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八足門の奥には通常、一般参拝者は入ることができませんが、正月三が日、祭典などの特別な日や、ご祈祷を受けた人のみ八足門の内側へ入ることができます。我々のツアーは団体でご祈祷を受けたので、門の向こう側に入ることができました。
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楼門は玉垣内への出入り口で、高さは、7.3mの二重造りの白木造りの門です。入母屋造りに檜皮葺の屋根で、三間一戸の構造というそうです。国の重要文化財。

楼門
1667(寛文7)年 / 1744(延享元)年移設
重要文化財
設計・施工 : 不明
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楼門の右は神饌所(しんせんしょ)です。神饌所は八足門の奥の楼門の西側端と東側端に建っています。2棟ともに移設されたものではなく、1744(寛保4)年の造営時からのもの。神饌所の「神饌」とは、神様にお供えするためのお神酒や食事のこと。つまり、神饌所とは、神様へのお供え物を準備するための建物だとか。国の重要文化財。

神饌所 2棟
1744(延享元)年
重要文化財
設計・施工 : 不明
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西神饌所とその向こうに見えているのは摂社の門神社(もんじんのやしろ)です。東西2棟あり、東側は宇治神(うじのかみ)、西側は久多見神(くたみのかみ)を祀っています。この2柱の神様は、本殿と本殿の周囲の「おにわ(お庭)」を守護する神様たちです。国の重要文化財。

ちなみに摂社は末社と同様に、本社の主祭神と関連のある神様をお祀りした本社境内の神社。格式(社格)は「本社>摂社>末社」です。この写真はネットから。

摂社 門神社 2棟
1744(延享元)年か
重要文化財
設計・施工 : 不明
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八足門の東側に建つ観祭楼(かんさいろう)は、途中から二階建てになっていて、その二階には2つの畳敷きの部屋があるそうです。朝廷や幕府の要人、または藩の重臣などが訪れた際に南側の境内を見ることができます。国の重要文化財。

観祭楼および廻廊
1667(寛文7)年 / 1744(延享元)年移設
重要文化財
設計・施工 : 不明
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玉垣の外を歩いています。先ほど紹介した東側の門神社が見えています。
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向こうから、天前社(あまさきのやしろ)、御向社(みむかいのやしろ)、本堂の千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ)が見えています。このときは知りませんでしたが、後に大阪の住吉大社を参拝したときに知りました。
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二本の木をX状に交叉させたものが千木です。屋根の頂点部に水平の木を何本か置かれたものが鰹木です。千木の端の部分が、水平になっている神殿の御祭神は女神で、垂直になっている神殿の御祭神は男神であると一般にいわれています。また鰹木の本数が男神の場合は奇数、女神の場合は偶数になっているとも。ただし、それらは絶対的なものではなく、例外も多いとか。
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出雲大社は祭神が大国主大神、つまり男神なで、この法則に合っています。
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天前社と御向社はいずれも摂社で、同系の社です。天前社は蚶貝比賣命(キサガイヒメノミコト)と蛤貝比賣命(ウムガイヒメノミコト)を、御向社は須勢理比売命(スセリヒメノミコト)を祀っています。国の重要文化財。

摂社 天前社と御向社
1744(延享元)年か
重要文化財
設計・施工 : 不明
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大国主大神を祀っている本殿が見えてきました。別名「天下無双の大廈(二つと同じものが無い壮大な神殿)」と称えられる本殿は、大社造りで。高さが8丈(およそ24m)という、神社としては破格の大きさです。

神代の時代の創建といわれ、長いの歴史の中でなんどもの造営遷宮と修造遷宮を繰り返し、今にその姿を引き継いでいます。現在の本殿は延享元年(1744)に御造営されたもので、国宝に指定されています。

本殿
1744(延享元)年
国宝
設計・施工 : 不明
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本殿の南側に見えるのは、海の神様の多紀理比売命(タキリヒメ)を祀る筑紫社(つくしのやしろ)。なお多紀理比売命は以前宗像大社で紹介した宗像三女神の中の1柱です。国の重要文化財。

筑紫社
1744(延享元)年か
重要文化財
設計・施工 : 不明
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玉垣の外からでは遠近感がわかりにくいのですが、向こうが筑紫社で、手前はもっと内側に建つ西神饌所です。

by gipsypapa | 2019-05-15 08:51 | 建築
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