松島の円通院

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円通院(えんつういん。旧字体:圓通院)は瑞巌寺の西隣にある臨済宗妙心寺派の寺院で、伊達政宗の孫にあたるる伊達光宗の菩提寺として、1647(正保4)年に瑞巌寺第100世洞水和尚により三慧殿(さんけいでん)が建立され開山されました。円通院は三慧殿や大悲亭(本堂)という歴史的な建造物以外にも、変化に富んだ庭園が見所でした。

白華山 圓通院
宮城県宮城郡松島町松島町内67
撮影 : 2017.10.1
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山門は開山と同時に建てられたと考えられいる、萱葺き一間一戸の薬医門です。本堂と共に松島町指定文化財。
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山門をくぐって奥へ。
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山門から境内に入ると左側に石庭「雲外天地の庭」があります。
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「天の庭」は松島湾に実在する七福神の島を仏の庭として表し、「地の庭」は命を意味した「三宝の庭」だとか。
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松島湾は白砂で、周囲の山々はコケで表し、「天」と「地」には天水橋が架っています。
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■三慧殿
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境内の一番奥にある三慧殿(さんけいでん)は別名御霊屋(おたまや)とも呼ばれています。建物は宝形造りで、周囲に高欄付の縁を巡らす、東北地方では数少ない 格式ある方三間霊屋の遺構です。霊屋建築としては宮城県下最古とされ、3世紀半もの間秘蔵とされたという、国の重要文化財です。木造平屋建て。

三慧殿
1647(正保4)年
重要文化財
設計・施工 : 不明
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よく見えませんが、三慧殿の厨子には、馬に跨った光宗像と慶長遣欧使節を率いた支倉常長が西洋から持ち帰ったバラや、フィレンツェを象徴する水仙、トランプの図柄などが描かれキリシタン文化の影響を受けています。江戸時代初期に海外との交流を図った伊達政宗の影響がここに残っているわけです。
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三慧殿から本堂方面へ戻る参道の左側に石窟が並んでいます。
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ネットではあまり取り上げられてはいませんが、興味深かったです。
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遠州の庭。中門をくぐると本堂の前に心字の池で構成された庭があります。
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この庭は伊達藩江戸屋敷にあった小堀遠州作の庭を移設したといわれているそうです。
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この前後の写真はネットにあったものを借用しています。
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三慧殿禅林 瞑想の庭。杉林の自然庭園です。
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バラの庭 「白華峰西洋の庭」。支倉常長がヨーロッパから持ち帰ったバラなどをモチーフにしたそうです。みのはしたので写真はネットから借用しました。

■大悲亭(本堂)
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本堂の大悲亭は光宗公の江戸納涼の亭として使われていた建物を移築したもので、寺院としては寄棟造りの萱葺き屋根が珍しいのですが、禅寺らしい落ち着いた雰囲気といえます。松島町指定文化財の木造平屋建て。

大悲亭(本堂)
1647(正保4)年
松島町指定文化財
設計・施工 : 不明
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本堂の横に瓦葺きの建物があります。詳細は不明ですが、ここで数珠作りが体験できるようです。

by gipsypapa | 2018-06-15 08:57 | 建築
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