銀山温泉の数ある大正末期から昭和初期の旅館建築の中でも、最も有名な能登屋。知る限りこの温泉街で唯一、国の登録有形文化財に指定された旅館です。創業は1892(明治25)年。銀山温泉を代表する老舗温泉旅館です。 現在の建物は大正14年(1925)頃建てられた建物で、入母屋、金属板葺きの屋根で上部に塔屋を載せています。和風を基調としながら、玄関上部のバルコニーや玄関脇の柱飾りなど、洋風の意匠も取り入れた、大正ロマンあふれる温泉街の象徴ともいえる建物です。国の登録有形文化財の木造3階建て。 能登屋旅館本館 1925(大正14)年ころ 登録有形文化財 設計・施工 : 伊藤辰右エ門(尾沢花の棟梁) 山形県尾花沢市銀山新畑446 撮影 : 2017.9.30 最上階の上に載る2層の望楼。今は談話室として使われているそうです。 玄関上、2階のバルコニーの欄干は数奇屋風です。 文化遺産オンラインでは大正14年の築とありますが、大正10年という説もあります。いずれにしろ大正ロマンです。 能登屋という名前は先祖が能登出身の山師だったから。 左端にあるのは富士山と駿河湾を描いた「こて絵」です。こて絵は銀山温泉の旅館に多く見られました。一蔵という伊豆の長八の流れを組む左官の作品だとか。 右端の看板は「木戸佐左ェ門」。江戸初期に銀山開発に尽力した人の名前らしいでう。こて漆喰の看板も一蔵の作で1932(昭和7)年の製作です。 玄関周りは洋風の意匠。 満室か?気になっていたことがあります。 ギリシャ風の柱頭飾り。渦巻きデザインはイオニア式か? この旅館は前から気になっていたので、時々HPを見ましたがいつも空き部屋がなかったのです。 ということで聞き込みを実行。 宿の人によると、ネットでは無理。最低6ヶ月先まで予約が入っているそうです。 これ以降の内部写真はネットの「宿らんマガジン」から借用しています。
by gipsypapa
| 2018-05-18 08:53
| 建築
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