岐阜市の忠節用水樋門群

 岐阜公園の北側で水門らしき建造物に出会いました。調べると川や用水路などから田んぼに水を引き入れるための忠節用水の樋門だそうです。江戸時代からすでにあったといわれ、この一帯には5か所の忠節用水樋門があるそうです。

 なお忠節(ちゅうせつ)は地名で、忠節橋通りは、JR岐阜駅を起点とし忠節橋を経由した忠節地区までの国道 157号を含む道路の総称で、岐阜市中心部を南北に横断する「長良橋通り」「金華橋通り」と並ぶ三大通りのひとつです。

忠節用水第2樋門
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 第2樋門は玉石入り鉄筋コンクリート製の樋門で、上部にある制御室は煉瓦製。下部の鋼鉄製門扉(スルースゲート)を上下させて水量を調節し、洪水の時は扉を閉めて岐阜市内への浸水を防ぎます。ゲートは最近取りかえられたそうですが、構造物は昭和初期に建設された当時の様子を伝えています。

忠節用水第2樋門
1933(昭和8)年
設計・施工 : 稲葉郡用排水普通水利組合
岐阜市御手洗付近
撮影 : 2014.5.20
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忠節用水分水樋門
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 忠節用水から放水路への分岐部下流に設けられているスルースゲート式水門で、忠節用水の余った水を再び長良川に戻し用水の水量を調節するために造られたそうです。
 
 上部の煉瓦製の制御室が顔に似ていることから「ロボット水門」と呼ばれています。最近一部改修されたようで、上部のツノに見立てた金属製の△は後からつけたものらしいです。

忠節用水分水樋門
1932(昭和7)年
設計・施工 : 稲葉郡用排水普通水利組合
岐阜市御手洗付近
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忠節用水第1樋門
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 鏡岩水源地のすぐそば、長良川沿いにある樋門です。平成6年に今の形に全面改修されました。元の姿は知りませんが、さすがにやりすぎの感があります。

忠節用水第1樋門
1994(平成6)年
設計・施工 : 不明
岐阜市鏡岩408
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by gipsypapa | 2014-10-13 09:00 | 建築
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