新宮市の旧チャップマン邸

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 西村記念館の近くにもう1軒、西村伊作が設計した住宅があります。西村が自邸を建てた後に、親しく交流したアメリカ人宣教師のチャップマンの住宅として自宅のすぐ近くに建てたものです。戦後の一時期に旅館として利用されたとかで、その頃に増築されているそうです。

 青緑色のスペイン瓦にドーマー窓。モルタル吹き付けの壁の洋館。見どころは正面左奥に見える玄関部で、アーチ型のポーチは西村伊作らしいセンスの良さを感じます。

 建物は長く空き家になっており、老朽化で傷みが激しく、家主が個人で維持管理していくことが困難と判断。最近、手放すことを決断して、現在は市内の不動産店が管理しているそうです。解体の危機にあることから、「西村記念館を守り伝える会」による保存活動や陳情が行われています。すぐそばなので、西村記念館とペアで一般開放できるようになれば、理想的ですね。木造2階建て。

旧チャプマン邸
1926(大正15)年
設計 : 西村伊作
施工 : 不明
新宮市新宮7678
撮影 : 2013.11.26
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 正面部分は特徴のない住宅に見えます。旅館の時代に大きく増築されたそうです。屋根が緑のスペイン瓦ではありません。
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 道路側は石垣。祠のようなものがあります。
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 奥に見える玄関部。
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 想像するに、1枚目の青緑の屋根の部分が西村伊作が設計した、オリジナルの部分でしょう。
by gipsypapa | 2014-05-09 09:13 | 建築
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