木造で前半分が脱衣室と和室が重なる二階建、奥の浴室部分が平家建になっており、屋根は前後とも切妻屋根である。外壁は和風の下見板張で、一階廻りにはガラス建具の窓・出入り口を開け、二階の窓には障子を立てている。 古来、日本の銭湯には湯屋と風呂の二つの形があった。湯屋は湯舟に満たされた湯の中に身を沈める形で、風呂は湯気に身を包む蒸し風呂の形式であった。しかし、蒸し風呂は密室を必要とし、多数の客を入れることができないため、次第に湯屋が主流を占めるようになった。 解体の時には、浴槽や床にはタイルが張られていたが、手法が新しいと判断されたため、明治末期の姿に推定復原した。男女の湯舟は隔てもなく、一つながりである。 明治以前の湯殿には、「ざくろ口」という特有の入口があった。これは、湯舟から上る湯気の流出を少なくするため、湯殿の板囲いの出入口を低く押えたものである。しかし、湯殿の中が大変暗く、湯気がたちこめてあまり衛生的ではなかったため、明治12年(1879)禁止された。このように、維新後、いろいろな改良が加えられ、天井には湯気抜きが設けられるようになった。 博物館明治村 半田東湯 1910(明治末)年ころ 登録有形文化財 設計・施工 : 不明 旧所在地 愛知県半田市亀崎町 犬山市内山4-50博物館明治村内 撮影 : 2011.9.22 & 2012.3.10
by gipsypapa
| 2012-11-07 12:58
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