小樽市鰊御殿(にしん漁場建築)

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 番屋通りの北の行き止まりに小高い丘があり、その中腹にも漁夫番屋があります。普通、番屋は海岸線に近い低地にあるのですが、こんな高台にある理由は移設されて観光施設になったためです。

 この建物は積丹半島の泊村で漁場を経営し「ニシン大尽」といわれた田中福松の住居兼漁夫の宿舎、いわゆる番屋でした。1897(明治30)年に泊村に建てられ、1958(昭和33)年に鰊千石場所の現在地へ移築されまし。北海道炭礦汽船株式会社が創立70周年記念事業の一環として小樽市に寄贈したもので、小樽市が管理運営しています。最盛期には120人もの漁師が寝泊まりした広い座敷や当時の漁具、生活用品などが公開され、ニシン漁に沸いた小樽の浜の暮らしが再現されています。

 大規模な2階建の建物で大屋根中央の切妻造りの天窓や、伽藍調(寺院風)の大屋根の庇などが目を引きます。鰊御殿のある高台からは石狩湾と雄冬岬が眼下に望めます。当時この一帯はいわゆる鰊千石場所として、ニシンを満載した船が出入りしていた場所でした。北海道指定有形文化財の木造2階建て。

小樽市鰊御殿(にしん漁場建築)
旧田中家住宅
1897(明治30)年
北海道指定有形文化財
設計 : 不明
施工 : 菊池永弥
小樽市祝津3-228
撮影 : 2010.8.26
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 煙出しを中から見たところ。
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 丘の下の登り口にもう1軒漁夫番屋がありますが、空き家です。明治初期に建てられた近江屋番屋のようです。
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 高台からちらっと見えるのは日和山燈台。
by gipsypapa | 2012-01-18 14:16 | 建築
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