北海道大学農学部 第2農場 穀物庫(コーンバーン)

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 収穫室と2階同士が高架式通路でつながる穀物庫(コーンバーン)は、主としてトウモロコシ、収穫した穀物、種子などを貯蔵する施設として建てられました。 ねずみ侵入を防ぐための鼠返しのある高床式倉庫で、入口のゆるい傾斜の階段は取外しが可能になっています。 この建物は、次に紹介する模範家畜房と同時期に建てられた、 我が国最初のツーバイフォー式バルーンフレーム構造の農業建造物であるとともに、 現存する最古の札幌農学校関連施設です。

 収穫室との高架式通路はコンベアが走る通路で、後年に増設されたそうです。 1911(明治44)年に現在地に移設され、1974(昭和49)年に解体復元工事が行われています。この建物は内部の見学が可能で、当時の農機具などが陳列されていました。

 設計は1877(明治10)年に札幌農学校に着任。農学を担当したのち、帰国したクラーク博士の後を受けて農園長となり、外国人教師の中でもっとも長い11年間務めたウィリアム・ペン・ブルックス(William Penn Brooks 1851-1938)。国の重要文化財の木造2階建て。

北海道大学農学部 第2農場 穀物庫(コーンバーン)
旧札幌農学校(旧東北帝国大学農科大学)第2農場 穀物庫(コーンバーン)
1877(明治10)年/1911(明治44)年移設
重要文化財
設計 : W.P.ブルックス(William Penn Brooks)
施工 : 不明
北海道札幌市北区北19条西8 北海道大学構内
撮影 : 2010.8.27
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 建物全体が49本の高さ約1mの束石の上に乗った高床式。側廻りの束石には鼠返し(赤く着色されている箇所)を設けています。
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 1階中央には穀類などの種子を貯蔵する小部屋があり、2階から袋入りの種子が落とし込めるようになっています。
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 階段を上がった2階。柱のない1面の床になっていて、袋詰めした穀物の保管場所です。
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by gipsypapa | 2011-05-11 15:07 | 建築
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