名古屋陶磁器会館

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 レトロ建築が多く残っている主税町から、下街道を東に渡ったところにある名古屋陶磁器会館。当初は名古屋陶磁器貿易商工同業組合の事務所として建てられました。ここ東区一帯は、明治初期から多治見・瀬戸産の白地の磁器に海外向けの絵付けを施して輸出する、輸出陶磁器産業が盛んでした。その後、昭和8~9年頃には日本全輸出陶磁器の80%を生産していたそうです。現在はデザイン関係のテナントが入っていますが、1階がギャラリーになっていて、かつて輸出された陶磁器製品が数多く陳列され、一般開放(無料)されています。

 建物は、淡い褐色のスクラッチタイル貼りの外観に、アーチ窓や幾何学的なモチーフを用いた質の高いデザイン。また内部もアールデコ調の雰囲気が残り、並べられた陶磁器と調和していました。なお、3階は戦後に鉄骨造りで増築されたものです。

 設計者は鈴木禎次の門下で、名古屋高等工業学校教授だった鷹栖一英(たかのす いちえい)。名古屋の表現主義建築を代表する建築家でした。実施設計と監理は丹羽英二(現在も名古屋に建築事務所がある)が行い、名古屋市の志水建築業店が施工した、登録有形文化財の鉄筋コンクリート造り(一部鉄骨造り)、3階建て。

名古屋陶磁器会館
旧名古屋陶磁器貿易商工同業組合事務所
1932(昭和7)年/1946(昭和21)年増築
登録有形文化財
設計 : 鷹栖一英+丹羽英二
施工 : 志水建築業務店
名古屋市東区徳川1-10-3
撮影 : 2009.7.23
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 北側の正面。
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 西側面。
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 南側(裏)。
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by gipsypapa | 2010-04-09 10:22 | 建築
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