タイ王国大使公邸

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 和歌山県出身の実業家・十代目濱口吉右衛門の邸宅として1934(昭和9)年に建てられた建物です。1943年(昭和18)年から駐日タイ王国大使公邸となり、タイ王国の高官や王室関係の方の宿舎、会議の場所としても使用されています。

 周囲と隔離されたような樹々の緑に彩られた別世界のような邸宅。濃いグレイの石貼りを施したゴシックスタイルの外観が豪華な中にクラシカルで重厚な印象を与える優れた住宅建築です。鉄筋コンクリート造り、2階建て、地下1階。

 設計の和田順顕(わだ・じゅんけい)は東京美術学校卒業後、設計事務所を開設し、数多くの商業・公共施設や住宅の設計を手がけた人で、有名なものでは、横浜郵船ビル(昭和11年)慶応大学の信濃町メディアセンター(昭和12年)などが現存しています。

タイ王国大使公邸
旧濱口邸 1934(昭和9)年
設計 : 和田順顕
施工 : 清水組
東京都品川区上大崎3-14-6
撮影 : 2008.10.12
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 黒みがかった石貼りの壁に白いモルタルで縁取りした窓と尖塔アーチの玄関が見えます。当時でも華麗な建物だったでしょうが、大使公邸として使われるのにふさわしい風格を感じます。まるで中世ヨーロッパの邸宅のようです。
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 右に見えるのは、大使館の事務所として使用されている3階建ての建物で、1952(昭和27)年に建設され、公邸とは2階の廊下で繋がっています。
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 門の脇にある門衛舎。
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 正面玄関周りを見たあと、他にアングルがないかと首都高速2号目黒線に出てしばらく南下すると、ビルの隙間からちらっと妻面が見えました。実際に単なる隙間で、道というほどの幅がなく、やっと一人が通れるくらい。そこを近づいていくと向こうが開けていて・・・・
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 思いがけず素晴らしい東面も見ることができました。
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 Google で見ています。最後の2枚の写真は写真右側のビルの隙間を公邸に近付いて撮ったものです。
by gipsypapa | 2009-01-06 11:19 | 建築
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