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京都ハリストス正教会を再訪

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 普段は見ることができない教会の内部を見ることができる催しがあり、京都ハリストス正教会に行きました。

 前回、訪れたのは、もう7年も前。
その時は外観を眺めただけですが、今回は中を見ることができます。

 京都御所の南の住宅街にあるロシア・ビザンチン様式のギリシャ正教会の教会堂。東京お茶の水のニコライ堂に匹敵する格式を誇り、明治の教会建築を代表する国内最古級の教会建築です。会堂前方にはトンガリ帽子の鐘楼が立つ、薄い水色の外壁の木造教会。とんがり帽子形の屋根の方には、玉葱形のドームが載り、その上に正教会特有の十字架があります。

 設計は東京帝国大学造家学科(後の建築学科)を出て、京都で誕生した初めての建築家といわれる松室重光(まつむろ しげみつ 1873 - 1937)。京都ではその代表作となる二つの建築が今でも残されており、一つはこのハリストス教会で、もう一つは京都府庁旧本館(明治37年)です。

 この意匠がひな型になり、函館ハリストス正教会豊橋ハリストス正教会修善寺ハリストス正教会などを設計した河村伊蔵に引き継がれていきました。木造平屋建てに3階建て鐘楼付。

日本正教会京都ハリストス正教会 生神女福音聖堂
1903(明治36)年
設計 : 松室重光
施工 : 不明
京都市指定文化財
京都市中京区柳馬場通二条上る六丁目283 ‎
撮影 : 2014.6.4
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 鐘楼の下の入口から啓蒙所を経て聖所に続く構成。
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 数々のイコン。近くでの撮影は不可ですが、人物が入るスナップ写真はOKでした。

 イコン」というのは、もともとギリシャ語で、「形」とか「像」という意味をもっています。日本正教会では「聖像」と訳されることもあります。「イコン」は、狭い意味では一枚の板に描かれた絵のことをいいますが、広い意味では、正教会が使用する絵画すべてを指します。コンピュータのアイコンの語源です。
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by gipsypapa | 2014-11-14 11:52 | 建築 | Trackback | Comments(2)

大連市郵政局(中山広場10号)

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 旧大連市役所の向かい側に、大正中期に同じ松室重光(まつむろしげみつ、1873-1937)が設計した建物があります。関東州での郵政事業を担当した逓信省関東逓信局の庁舎でした。戦後はソヴィエト連邦軍大連警備司令部が接収していましたが、現在は本来の郵便事業を行う大連市郵政局が使用しています。

 明るいベージュ色の石貼り。コーナーに丸みを持たせ、半地下部分に半円アーチの窓がある洋風建築です。石煉瓦造り(?)、2階建て、半地下付き。

大連市郵政局(中山広場10号)
旧関東逓信局
1918(大正7)年
設計 : 松室重光(関東都督府民政部土木課)
施工 : 不明
撮影 : 2007.1.19
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by gipsypapa | 2011-02-22 11:33 | 建築 | Trackback | Comments(4)

中国工商銀行大連市分行(中山広場5号)

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 大連賓館の隣にある、いわゆる帝冠様式の大型の建物。大連の市制導入に伴い建築された市役所で、戦後は大連市人民政府庁舎、市政府各部局の分庁舎として使われました。現在は中国工商銀行大連市分行になっています。

 全体は石貼りの洋風ですが、中央の塔は京都の祇園祭りの山車をモチーフにし、玄関には唐破風を配するなど日本建築の意匠が取り入れられています。

 設計は京都出身で京都を中心に多くの建築物の設計を手がけた建築家、松室重光(まつむろしげみつ、1873-1937)。当時は関東都督府土木課の課長で、大連民政署を設計した前田松韻の後任です。主な作品には京都市武徳殿、京都ハリストス正教会聖堂京都府庁舎旧本館武田薬品本社武田長兵衛邸が現存。石造り(?)3階建て、半地下、塔屋付。

中国工商銀行大連市分行(中山広場5号)
旧大連市役所
1919(大正8)年
設計 : 松室重光(関東都督府民政部土木課)
施工 : 清水組
撮影 : 2007.1.19
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 玄関の唐破風。
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by gipsypapa | 2011-02-17 13:48 | 建築 | Trackback | Comments(2)

武田史料館

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 大邸宅が並ぶ住吉山手。阪急電車の御影駅から坂道を上がって、旧乾邸、小寺邸や白鶴美術館を見に行ったことがあれば、途中に巨大な邸宅と石積みの門があるので、気付いた人は多いかと思います。

 今でも威容を誇る大邸宅で、武田薬品工業の六代目会長の武田長兵衛氏の住宅でした。関西ではよく略してタケチョウといわれる武田長兵衛は、特定の個人名ではなく武田薬品工業の武田家の当主が代々、襲名してきた名前でした。

 右は2004年11月2日の日経新聞に載った記事です。これによると現在、武田史料館になっている本宅と北側にやや規模の小さな同じ意匠の建物が建っているとあります。何回か歩いた記憶では、正門の近くは石塀と垣根の植え込みが邪魔してほとんど建物が見えず、北側に行って見えてきたので、私が撮った写真は六代目会長の三男で、やはり後に会長になった武田國男氏の住居が大半だと思います。

 英国風のハーフティンバー・スタイルの洋館。設計は京都を中心に多くの建築物の設計を手がけた建築家で、ネオ・ルネサンス様式の名建築として知られる京都府庁舎旧本館や、京都ハリストス正教会聖堂武田道修町ビルなどの設計などで知られる松室重光。

武田史料館
旧武田長兵衛邸・ 銜艸居(かんそうきょ)
1932(昭和7)年
設計 : 松室重光
施工 : 不明
神戸市東灘区住吉山手4
撮影 : 2006.4.22, 2006.7.30
& 2006.11.11




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 御影駅から坂を上ってくるとこの巨大な門が目に入ります。いかにも大邸宅。
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 正式名である「銜艸居(かんそうきょ)」の表札。薬業にゆかりの深い家として中国の古典から名付けられたそうです。
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 正門横の通用門に「武田史料館」の表札がありました。
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 六代目がケンブリッジ大学に留学したためチューダー様式を採用したとか。日経の記事によると外観は洋館ですが、中には和室や茶室もあるそうです。それにしても、私が撮った写真が小ぶりな三男邸だとすると、本館はどれほどの規模なのでしょう。
by gipsypapa | 2008-11-17 10:40 | 建築 | Trackback | Comments(10)

京都府庁舎旧館

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現役の府県庁舎として国内最古のものとして京都では有名な建物。ネオ・ルネサンス様式の庁舎建築で、正面屋根の三角ペディメントやコリント式の柱などに特徴があり、長く官庁建築の模範とされたそうです。屋根は国内産の天然スレート瓦葺、階段は総大理石という、現代ではまず考えられない豪華さがあります。レンガ造2階建てに外壁の仕上げは擬石モルタル塗りの重要文化財。現在は展示コーナーや府庁NPOパートナーシップセンターなどとして使用されていて自由に見学ができます。(無料)

 設計は京都府技師だった松室重光ら。松室重光の作品としては、
京都ハリストス正教会聖堂(京都市、1903年)http://gipsypapa.exblog.jp/6617581/
関東都督府博物館(中華人民共和国大連市、1918年)
大連市役所(中華人民共和国大連市、1920年)
武田薬品本社(大阪市、1928年)http://gipsypapa.exblog.jp/7971615/
などがあります。大連市の建物は昨年見てきましたが、それらは別の機会に。

京都府庁舎旧館 1904(明治37)年
重要文化財、京都府指定有形文化財
設計 : 松室重光、一井九平、久留正道
施工 : 直営
京都市上京区下立売通新町西入ル薮ノ内町
撮 影 2008.1.3
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 いかにも古典主義という意匠の南正面。よく見られる白色の総石貼りではなく、ベージュ色の石に似せたモルタル塗りがやさしい表情です。
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 車回しのある大きな正面玄関。
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 裏の北面にも車回しのある玄関ポーチがあります。
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 建物は口字型で中庭があります。中庭からの見た建物。
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 かなり広い中庭。この日は冬で葉が落ちていますが、桜の木が立ち並んでいて、花見の名所になっています。
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 中に入ってみます。中庭を囲むロの字型の建物で、正面中央に御真影を戴く正庁(儀典室)、背面中央に府議会議事堂、そして四つの角にそれぞれ知事室・議長室・参事会室・貴賓室を配しています。(パンフレットより)
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 多くの部屋が開放されているので、重厚な内部や、当時の調度品を見ることができます。
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 歴史のある庁舎が今も大切に保存され、かつ現役として使われているのがうれしいですね。
by gipsypapa | 2008-06-16 13:31 | 建築 | Trackback | Comments(6)

武田道修町ビル

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大阪で製薬会社や薬問屋が多い道修町(どしょうまち)に武田薬品の旧本社があります。
 これという特徴はありませんが、茶色のタイル貼りの落ち着いた近代建築。手前の3階建て部分が当初に立てられた部分で、4階より上は後の増築だそうです。

武田道修町ビル
旧武田長兵衛商店本店 1928(昭和3)年
設計 : 松室重光(片岡建築事務所)
施工 : 大林組
大阪市中央区道修町2-3-6
撮影 : 2007.1.14
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 北側が正面。
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 右下に見える3階建て部分がオリジナルで、それに増築部が覆いかぶさるようになっています。
by gipsypapa | 2008-01-12 22:38 | 建築 | Trackback | Comments(0)

京都ハリストス正教会

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 京都御所の南にあるロシア・ビザンチン様式のギリシャ正教会の教会堂。東京お茶の水のニコライ堂に匹敵する格式を誇り、明治の教会建築を代表する建物です。会堂前方にはトンガリ帽子の鐘楼が立つ薄い水色の外壁の木造教会。

 設計は東京帝国大学造家学科(後の建築学科)を出て、京都で誕生した初めての建築家といわれる松室重光。その代表作となる二つの建築が今でも残されており、一つはこのハリストス教会で、もう一つは京都府庁旧本館(明治37年)です。

京都ハリストス正教会 1903(明治36)年
設計 : 松室重光
施工 : 不明
京都市指定文化財
京都市中京区柳馬場通夷川下ル
撮影 : 2007.4.15
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 驚くほど美しい教会で、この京都ハリストス正教会は,後にハリストス正教会が全国に建てていく聖堂の原型となったそうです。今でも,豊橋聖堂(大正3年・愛知県文化財)や白河聖堂(大正4年・福島県白河市文化財)など,この京都聖堂にそっくりな教会が残されているとか。松室重光という建築家、はただものではありませんね。
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 実は私自身はまだ見ていませんが、堂内には帝政ロシア時代にモスクワで描かれ日本に運ばれた『最後の晩餐』などのイコン(聖像)があるそうです。素晴らしい。
by gipsypapa | 2007-08-02 16:09 | 建築 | Trackback | Comments(2)