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旧函館信用金庫本店

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 伊藤商事株式会社と塩瀬菓子舗の市電通りを挟んだ筋向いにある銀行建築。もとは富山の第十二銀行(のちの北陸銀行)の函館支店として、大正末期に建てられたもの。その後、函館信用金庫が本店として使用しましたが、本店が移転したため空家になっています。

 濃いあずき色のタイル貼りの外壁に、腰部や玄関周りに白い石貼りを使った地味な外観です。よく見ると細部に目立たない装飾もありセセッションの香りが漂う、優れた設計といえましょう。屋上側面にあるロゴの跡のような不思議な装飾は何でしょうか。

 設計は宮内省内匠寮技師を経て、後に木子建築事務所を設立。皇室関係の建築を多く手がけたことで知られる木子幸三郎(きご こうさぶろう1874 -1941)。木子七郎の兄で、父の木子清敬も平安神宮や富士屋ホテル菊華荘の設計を行った建築家です。幸三郎の作品は旧竹田宮邸洋館(現グランドプリンスホテル高輪貴賓館旧小樽区公会堂(現小樽市公会堂)、富士屋ホテル食堂、駐日ローマ法王庁(旧鈴木忠治邸)、東京本願寺(東本願寺東京本院)などがあります。鉄筋コンクリート造り、3階建て。

旧函館信用金庫本店
元第十二銀行函館支店
1927(昭和2)年ころ
設計 : 木子幸三郎(木子建築事務所)
施工 : 不明
函館市豊川町15‐20
撮影 : 2013.8.29
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by gipsypapa | 2014-02-14 09:52 | 建築 | Trackback | Comments(2)

函館龍谷幼稚園

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 ブログ「関根要太郎研究室@はこだて」で存在を知った学校建築。玄関周りに多少の装飾があるくらいで、これという特徴がない校舎ですが、昭和初期に建てられた、函館に現存する最古の鉄筋コンクリートの学校建築だそうです。現在は本願寺函館別院(西別院)に併設する龍谷幼稚園になっています。鉄筋コンクリート造り、2階建て。

函館龍谷幼稚園
旧私立函館実践高等女学校
1929(昭和4)年
設計・施工 : 不明
函館市東川町12-14
撮影 : 2013.8.29
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 西別院はなんとなく違和感のある様式主義の洋風建築でした。
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by gipsypapa | 2014-02-13 09:50 | 建築 | Trackback | Comments(2)

函館の塩瀬菓子舗 & 伊藤商事株式会社

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 市電の十字街と魚市場通の二つの電停の中間に小さなビルが並んで立っています。いずれも3階建てで、意匠はかなり違っていますが、建物同士が隙間なくつながっています。

電車通りから向かって右側は窓間の柱に面白い輪切りを重ねたような装飾を施したレトロビル。「塩瀬」と壁に大書してあります。塩瀬菓子舗という和洋生菓子店だったようですが、営業している雰囲気はありませんでした。鉄筋コンクリート造り、3階建て。

塩瀬菓子舗
1935(昭和10)年ころ?
設計・施工 : 不明
函館市豊川町6-8
撮影 : 2013.8.29
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 一方、左は伊藤商事株式会社のビルで、白い外壁に縦長窓のモダニズムの雰囲気です。鉄筋コンクリート造り、3階建て。

伊藤商事株式会社
1936(昭和11)年
設計・施工 : 不明
函館市豊川町6-9
撮影 : 2013.8.29
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 そばを通ったはずですが、何故か写真を撮っていません。ということでGoogle のストリートビューを借用。
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by gipsypapa | 2014-02-12 10:20 | 建築 | Trackback | Comments(2)

函館聖ヨハネ教会

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  大三坂をのぼりつめたところにあるモダンな教会。大三坂を挟んで函館ハリストス正教会があるので、ここに行くときには必ず目に入る教会です。最初に建てられたのは1878(明治11)年。その後1921(大正10)年に建て替えられたあと、現在の建物は昭和54年に改築されたもので、三代目になるそうです。

 4方に鋭角の尖塔アーチ型の妻面を張り出した斬新で現代的なデザイン。上から見ると十字架の形になっています。このデザインが二代目を踏襲したのかどうかはわかりませんでした。鉄筋コンクリート造り、平屋建て。

日本聖公会函館聖ヨハネ教会
1979(昭和54)年
設計 : 小向春夫
施工 : 不明
函館市元町3-23
撮影 : 2013.8.29
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 すぐそばに牧師館があります。
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by gipsypapa | 2014-02-11 09:53 | 建築 | Trackback | Comments(4)

函館の本郷家住宅

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 日和茶房(函館プレーリーハウス)へ向かう路地の入口にお洒落な洋館があります。4年前もこの前を通ったし、いい建物だと感じた記憶がありますが、新しい住宅と思ってしまって写真は撮らなかったのです。後で調べて昭和初期の築と知り、今回はじっくり見てきました。

 シンプルながら白に近いクリーム色の壁に様々な形の窓が並ぶお洒落な洋館。特に玄関わきの楕円形の窓は珍しいです。

 平坦な屋根の張り出し方や、直線を意識した外観はどうみてもライト風。このすぐ奥にある田上義也設計の日和茶房(函館プレーリーハウス)と同時期の築であることから、工事の時期がラップしていた可能性が強く、少なくともお隣を意識したデザインと想像します。函館市伝統的建造物の木造2階建て。

本郷家住宅
1928(昭和3)年
函館市伝統的建造物
設計・施工 : 不明
函館市元町32-10
撮影 : 2013.8.29
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by gipsypapa | 2014-02-10 11:32 | 建築 | Trackback | Comments(2)

日和茶房(函館プレーリーハウス)

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 4年前はまだ企業所有の建物で、玄関側と背面の塀越しに外観を見ただけでした。今回の旅行前に、カフェギャラリー『日和茶房 ひわさぼう』としてオープンしたことを知り、ぜひ行ってみたかったのです。

 4年前のブログの繰り返しになります。

 一見してライト風とわかるこの建物は、世界的な建築家F.L.ライトの弟子で、大正から昭和にかけて北海道を拠点に活躍した田上義也(たのうえ よしや 1899~1991)の設計です。函館の海産商だった佐田作郎の住居として建てられたもので、その後、すぐに同じ海産商の小熊家の住宅として長く使われました。

 c0112559_12535281.jpg水平と垂直線を強調した外観で、長く突き出した軒。幾何学的モチーフの門扉や純白の外壁に採光に配慮して多めに配置された窓の形状や桟の造形美にライト式住宅の特徴が強く出た、上品で魅力的な作品です。

 田上義也氏設計の洋館が喫茶室になっている例は、札幌の「ろいず珈琲館旧小熊邸」があり、いずれもライトスタイルの美しい建物ですが、こちらは和室があったりして、より変化に富んでいます。登録有形文化財と函館市景観形成指定建造物の木造2階建て。

日和茶房(函館プレーリーハウス)
旧佐田邸
1928(昭和3)年
登録有形文化財
函館市景観形成指定建造物
設計 : 田上義也
施工 : 不明
函館市元町32-10
撮影 : 2013.8.29



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 前回は閉まっていた庭園への入口が開いています。
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 訪ねたのは午後1時前。平日とはいえランチ時間なので、入れるかどうか少し心配しましたが、なんとか1席だけ空いているとのこと。確かに中はほぼ満席で、当然のように大半は女性客でした。
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 案内されたのは奥に進んだところにある日本間の廊下。広い廊下でつなぐ和室が2部屋あります。廊下を含めていずれも喫茶室として使われています。最初はどこも満席状態でしたが、私が出るころにはほとんど空きました。
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 注文したのはハムと野菜のクレープとエビスビール。(^^)
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 2階も見せてもらいました。
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 私が座った和室の廊下です。
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 期待通りの素晴らしさでした。
by gipsypapa | 2014-02-08 13:10 | 建築 | Trackback(1) | Comments(2)

函館の「お菓子の家 金のこころ」

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 函館市のベイエリア、赤レンガ倉庫郡の近くでひときわ目立つ青い倉庫。当時の函館を代表する酒問屋「本久商店」の倉庫として、長くこの地で親しまれている建物です。

 壁面に「久本」と「マル本」の大きなレタリング。また入口には右横書きの「ルービンリキ」の看板があって、大正ロマンの面影を強く残しています。現在はケーキ屋になっていて「お菓子の家 金のこころ」という手書きの看板が無造作に置いてあるのが微笑ましい。

 元はいわゆる酒蔵ですが玄関や窓に洋風アーチを採用し、窓もアーチ型の両開き。魅力的で重厚感がある建物です。コンクリート造りに見えますが、実は木骨煉瓦造りの2階建て。

お菓子の家 金のこころ
旧本久商店倉庫
1922(大正11)年
設計・施工 : 不明
函館市末広町16-13
撮影 : 2013.8.29
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by gipsypapa | 2014-02-07 10:29 | 建築 | Trackback | Comments(4)

函館海産商同業組合事務所(海同会館)

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 4年前に函館を訪れたときには、ベイエリアに近い周辺は何度も通ったのに、この路地の一ブロックだけ見逃していました。しかもブログ「関根要太郎研究室@はこだて」を見て気に入った訪問リストに挙げていたにかかわらず・・・です。やっと見ることができました。

 さすがに関根要太郎、山中節治の兄弟コンビ。二人はユーゲントシュティルといわれるドイツのアールヌーヴォーを得意としたそうで、この建物も外観は商業ビルとしてはスッキリとしたお洒落な雰囲気。正面は白い左右部分を緩いカーブとして張り出し、褐色のタイル貼りの中央部と対比させています。また側面の煙突が印象的です。

 当時、西欧で流行していた建築様式「セセッション」に影響を受けたモダンな作品で、同じコンビによる鷲見邸(旧亀井喜一郎邸)と共通点を感じます。詳しい解説と内部写真(素晴らしい)は「関根要太郎研究室@はこだて」をご覧ください。函館市景観形成指定建造物の木造3階建て。

函館海産商同業組合事務所(海同会館)
1920(大正9)年
函館市景観形成指定建造物
設計 : 関根要太郎、山中節治
施工 : 村木甚三郎、村木喜三郎
函館市末広町15-3
撮影 : 2013.8.29
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by gipsypapa | 2014-02-06 14:00 | 建築 | Trackback | Comments(2)

函館市地域交流まちづくりセンター

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 4年前は外観を見ただけでしたが、今回はちょうど昼食時。カフェで軽食と一休みを兼ねて、中も見学しました。前回のコメントを再掲します。

 函館市の中心地、十字街近く、南部坂の上り口に建つ大型のビル。ドームと塔屋があり、ランドマーク的な装飾の多い意匠となっていますが、理由はかつての百貨店(当初は呉服店)だったから。

 市電通りから見る北側は3階建て。1階部分にはデパートらしいショウウィンドウが並んでいます。アール状の角に玄関があり、その上に縦長窓、屋上には円形ドームのある欧風の様式。一方、塔屋のある南側は角ばったモダニズム様式の5階建てになっています。

 このようなアンバランスな様式が混在しているのは、昭和初期に百貨店の業務拡大につれて、当初3階建てだったものを、5階建てに増築(昭和5年、昭和9年)したためです。その際、北側のドーム部分はなくなり、代わりに南側の塔屋ができたそうです。近年、耐震性の問題から、一部を竣工当初の3階建てに戻すという改修工事がおこなわれ、ドームが復元されたため、このように不思議な組み合わせになったとか。昭和45年からは市の分庁舎として利用されていましたが、現在は「地域交流まちづくりセンター」として再利用されています。函館市景観形成指定建造物の鉄筋コンクリート造り、3&5階建て。

 設計は東京高等工業学校建築科を卒業したのち、熊本県立師範学校、岩手県立工業学校教諭、陸軍省委託を経て佐藤組建築事務所を営んだ佐藤吉三郎(1874~1934)。土浦日本聖公会聖バルナバ教会も彼の設計。

 共同設計と施工は北海道コンクリート建築の先駆者といわれる木田保造(きだ やすぞう、1885~1940)。他に不動銀行函館支店、拓銀函館支店、函館商工会議所本館、天主公教会、渡辺合名会社、大谷女学校、百十三銀行、函館貯蓄銀行、称名寺、日魯漁業函館事務所、函館製綱船具など、大正初期から昭和にかけての函館市内の主だった建築を数多く手がけています。函館市景観形成指定建造物の鉄筋コンクリート造り、3階/5階建て、塔屋付き。

函館市地域交流まちづくりセンター
旧丸井今井百貨店函館支店
1923(大正12)年+1930(昭和5)年1934(昭和9)年
函館市景観形成指定建造物
設計 : 佐藤吉三郎+木田保造(木田組)
施工 : 木田保造(木田組)
函館市末広町4-19
撮影 : 2013.8.29
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by gipsypapa | 2014-02-05 10:14 | 建築 | Trackback | Comments(4)

千秋庵総本家

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 宝来町の電停近く、電車通りと高田屋通りの交差点に古い店舗と蔵があります。1860(万延元)年創業の老舗和菓子店で、北海道では有名だそうです。スキーをはいた熊の浮き彫りで知られるという洋風せんべい「元祖山親爺」や「どら焼き」が名物みたいです。

 町屋風の店舗の隣に蔵があり、いずれもなまこ壁がいかにも古そうですが、築年は分かりませんでした。創業の江戸末期にしては新しいようにも見えます。木造2階建て。

千秋庵総本家
築年 : 不明
設計・施工 : 不明
函館市宝来町9-9
撮影 : 2013.8.29
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 壁に隠れて見えにくいのですが、西側に古くてよさそうな建物が見えます。「割烹 富茂登」という看板がありました。「ふもと」と読むとか。函館山の麓にあるのでこういう名前になったのでしょう。ネット情報では、函館ドックが贔屓にしていた小鶴という料亭を買い取って使っているそうです。
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by gipsypapa | 2014-02-04 14:04 | 建築 | Trackback | Comments(2)