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京都大学大学院理学部附属地球熱学研究施設本館

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 大分編の最終回です。

 不思議なことに大分県にも大正13年に建てられた京都大学の施設があります。地球熱学研究施設なので別府の温泉と関係があり、火山、地熱、温泉に関する研究及び教育を行っています。当時の別府町長が、温泉都市としての充実を図るため、研究機関の誘致を積極的に大学や県に働きかけたため、ここに作られたとか。

 建物の平面構造はL字型ですが、正面から見ると玄関と塔屋を中心にした左右対称のデザイン。赤煉瓦造りの外壁に大小の柱型を交互に配し、その間に上げ下げ窓が並んでいます。下部は石造りで、ギリシャ建築のイオニア式の柱頭のある柱の装飾などクラシックな様式を幾何学的な意匠で表現して重厚な印象です。

 設計は、京都帝国大学の営繕課長で山本治兵衛の下で大学施設の建築を手がけた永瀬狂三(ながせ きょうぞう1877 – 1955)。このブログでも数多くの京都大学の建物を紹介しています。京大の前には辰野・片岡設計事務所にいたことから、赤と白で構成された外観は、辰野のスタイルの影響を受けているともいえます。国の登録有形文化財の煉瓦造り地上2階、半地下1階建て、塔屋付。

京都大学大学院理学部附属地球熱学研究施設本館
旧京都帝国大学地球物理学教室附属地球物理学研究所本館
1924(大正13)年
登録有形文化財
設計 : 永瀬狂三(京都帝国大学営繕課)
施工 : 不明
別府市野口原3088-176
撮影 : 2011.3.21
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 2枚目の写真の背景に写っているのは1995年に竣工した複合施設ビーコンプラザにあるグローバルタワー。設計は大分県出身の建築家、磯崎新によるもので、施設全体が社団法人建築業協会よりBCS(Building Contractors Society )賞を受賞しています。
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 3泊4日の小旅行を終えて、日豊本線で小倉へ。小倉から新幹線で大阪へ帰りました。
by gipsypapa | 2012-02-28 15:11 | 建築 | Trackback | Comments(2)

京都大学 東南アジア研究センター

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 京都大学の積み残しです。

 鴨川沿い丸太町通りの北側、荒神橋近くで目を引く煉瓦造りの建物。当時は京都織物会社という西陣織の織物工場の本館でした。工場自体は本館の後ろにあったそうですが、現存しません。現在は京都大学の東南アジア研究所センターが使用しています。訪ねたときは、鴨川側の正面に工事中の目隠し塀が張り巡らされていて、肝心の正面ファサードが見えませんでした。明治中期の煉瓦造り2(一部3階)建で、施工は日本土木会社(今の大成建設)。

京都大学 東南アジア研究センター
旧京都織物会社 本館 1890(明治23)年
設計 : 日本土木会社(推定)
施工 : 日本土木会社
京都市左京区吉田下阿達町46
撮影 : 2008.1.3
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 残念ながら工事中でした。建物自体の工事ではなく、前庭の工事のようです。何か新しく建てるのか?
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 正面は目隠し板の隙間もないので、北側に廻ったらアクセスができました。
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 明治を感じさせるイギリス積みの煉瓦がいい感じの色になっていました。
by gipsypapa | 2008-07-31 11:05 | 建築 | Trackback | Comments(10)

京都大学農学部 附属農場園芸実験室

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 京大北部構内には農学部の附属農場があり、その真ん中に牧歌的な建物が目を引きます。典型的なマンサード屋根にドーマー窓が5個ずつ両側について、いかにも農場らしい雰囲気。北海道大学かと錯覚するような風景ですが、バックに大文字山が写っています。目についたものの、農場の中にあるので、近づけず、遠くからの撮影しかできませんでした。設計は京都帝国大学営繕課の永瀬 狂三氏。

京都大学農学部附属農場園芸実験室
1924(大正13)年
設計 : 永瀬 狂三
施工 : 不明
京都市左京区北白川追分町
撮影 : 2006.5.21
by gipsypapa | 2008-07-14 13:49 | 建築 | Trackback | Comments(6)

京都大学医学部 旧解剖学教室講堂

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京大医学部の医学図書館第2書庫の北側にある明治の木造洋館。同じく解剖学教室の講堂だったものです。左右にレンガの煙突が2本ある明治後期の木造洋風建築の特徴がよく出た建物。現在は使われていないようです。設計は医学図書館第2書庫と同じく京都帝国大学営繕課の山本治兵衛氏。解剖学教室は同時に煉瓦造りの標本室と木造の講堂の両施設を建てたわけです。

京都大学医学部 旧解剖学教室講堂
旧京都帝国大学医学部 解剖学教室講堂 1901(明治34)年
設計 : 山本治兵衛
施工 : 不明
京都市左京区吉田橘町
撮影 : 2008.1.3
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大きな窓が並びます。2階建てに見えますが、旧講堂というからには、平屋の吹き抜けかもしれません。確認できませんでした。
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アングルを変えて南側から。屋根は寄棟造り桟瓦葺。
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 旧講堂の東奥に進むと、これも古い平屋建ての木造が2棟並んでいます。旧解剖学教室の付属建物のようですが、ここも使われている様子がありません。まず西寄りの細長い木造。
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更に東側に一回り小ぶりな木造は1棟。これも古い。京大キャンパスではほとんど見られない明治の木造校舎です。(3か所の門衛舎や外部から移設された尊攘堂くらいか?)
 使用されず空家に見えたので、いつまで存続するのか心配なところです。
by gipsypapa | 2008-07-13 18:27 | 建築 | Trackback | Comments(7)

京都大学医学部 医学図書館第2書庫(赤レンガ書庫)

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  京大医学部表門を入ってすぐ右側にある煉瓦造り2階建て。当初は解剖学教室本館の一部として明治34年、医学部で最初に竣工した建築でした。本館は木造で、西端部に接続するこの標本室が煉瓦造りで建てられました。現在は、木造本館はすでになく、煉瓦造りの標本室のみが残り、医学部図書館第2書庫となっています。屋根は寄棟造り桟瓦葺。2連の縦長のアーチ窓を並べているのが特徴です。

 設計は京都帝国大学営繕課の山本治兵衛氏。永瀬狂三氏との共同設計が多いが、単独でも京都大学・留学生ラウンジ きずな(旧理学部物理学教室輻射学及び放射線研究室・防災研究所事務室)の作品が残っています。

京都大学医学部 医学図書館第2書庫(赤レンガ書庫)
旧京都帝国大学 解剖学教室本館標本室 1901(明治34)年
設計 : 山本治兵衛
施工 : 不明
京都市左京区吉田橘町
撮影 : 2008.1.3
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 1階と2階の間は、白色の石材とそのすぐ下の黒煉瓦の帯で分けられ、緩やかな曲線を描く縦長窓のアーチ部には石材と黒煉瓦を使っています。
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 2階の左端にある2連アーチ窓は鉄扉で閉じています。よく見ると、他の窓にもすべて扉のあったことを示すヒンジ(蝶番)の片割れが残っています。東京芸術大学の赤レンガ1・2号館のように、鉄扉があったほうが格好いいでしょう。
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 この左半分が木造だったところです。取り壊されて今はなく、コンクリートの壁で塞がれていました。
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by gipsypapa | 2008-07-11 11:08 | 建築 | Trackback | Comments(3)

京都大学医学部 教育推進センター

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 医学部表門のすぐ西にある煉瓦造りの平屋建て。典型的な煉瓦建築に和瓦の屋根と小さな屋根換気口があるこじんまりした建物です。旧生理学研究室で、一時期は「国際交流室」として使われていたようですが、私が訪れた時には「京都大学医学教育推進センター」と「知的財産経営学コース」の二つの表札がありました。

 設計は京大に優れた作品を残した京都帝国大学営繕課の山本治兵衛・永瀬狂三両氏のコンビです。すでにこのブログにも工学部電気工学教室本館工学部土木工学教室本館文学部陳列館 を紹介しています。なお京大には他に、コンビではなく単独の作品も残っています。


京都大学医学部 教育推進センター
旧京都帝国大学 生理学教室研究室 1914(大正3)年
設計 : 山本治兵衛・永瀬狂三
施工 : 不詳
京都市左京区吉田橘町
撮影 : 2008.1.3
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 緩やかな曲線のアーチ窓とイギリス積みの典型的な煉瓦建築。
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 南側の道路から見た全景。現在はフェンスと生垣で封鎖されていますが、中央部の小さなペディメントに丸窓があります。いわゆるファサードで、昔はこちら側が正面だったわけです。
by gipsypapa | 2008-07-10 14:33 | 建築 | Trackback | Comments(0)

京都大学医学部表門守衛所

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 京都大学吉田キャンパスの古い建物は本部構内に多く残っているので、何回か訪れましたが、ここ医学部構内を見残していました。
まず南側の正門へ。ここに明治30年築の木造平屋建ての守衛所があります。

 設計は文部省建築課の真水英夫氏で、すでにこのブログで上野図書館(国立子ども図書館)京都大学総合人間学部門衛所[旧第三高等学校門衛所] を紹介しています。

京都大学医学部表門守衛所 1897(明治30)年
設計 : 真水英夫
施工 : 不明
京都市左京区吉田橘町
撮影 : 2008.1.3
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 この日は守衛さんが巡回中で、無人でした。
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 守衛所の建物だけではなく、門柱も古そうです。煉瓦造りにコンクリーを被せているのではないでしょうか。
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by gipsypapa | 2008-07-09 14:56 | 建築 | Trackback | Comments(4)

京都大学・京都大学埋蔵文化財研究センター資料館(尊攘堂)

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 京大本部キャンパスの西の端にひっそり建っている建物。長州藩出身の政治家で子爵だった品川弥次郎が吉田松陰の遺志を受け継いで自邸内に建てた堂舎が,明治33年に資料類とともに京都大学に寄付され,移転されたのが現在の建物です。
 和館ながら洋風の意匠を取り入れた、いわゆる擬洋風建築。一見、石造りのように見えますが、実際は煉瓦建築にスタッコ仕上げしたものです。
 なお尊攘堂という名称は吉田松陰が京都に建てようとしていた学校の名に由来するとか。

京都大学埋蔵文化財研究センター資料館(尊攘堂)
1903(明治36)年
登録有形文化財
設計 : 不明
施工 : 京都帝国大学
京都市左京区吉田本町
撮影 : 2006.11.23
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 これで京都大学シリーズは一旦終わります。まだ医学部を見ていないので、そのうち訪問したいと思っています。
by gipsypapa | 2007-09-10 10:18 | 建築 | Trackback | Comments(0)

京都大学・工学部電気工学教室本館

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 この建物も京都帝国大学営繕課だった山本治兵衛と永瀬狂三の設計。電気工学教室本館は近代的な建物に建て代わっていますが、明治時代の赤レンガ造りであった本館の玄関部分がファサード保存され、新館への出入口として使用されています。

京都大学・工学部電気工学教室本館 1900(明治33)年
設計 : 山本治兵衛・永瀬狂三
施工 : 直営
京都市左京区吉田本町
撮影 : 2007.7.6
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この玄関ポーチしか残っていませんので、写真もこれくらいしかありません。
by gipsypapa | 2007-09-06 22:55 | 建築 | Trackback | Comments(0)

京都大学・工学部建築学教室本館

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 京都大学(旧:京都帝国大学)に工学部建築学科を創立し、初代教授となった武田五一が設計した建物。いわば自分の棲家を設計したようなものです。
 京大最初の鉄筋コンクリート造りで瓦屋根でない建物。左右対称の重厚な意匠である近代建築の特徴が顕著で、小豆色したタイル、正面と背面にあるカーブした壁面、頂上部の帯状の装飾とパラペットなど、当時の斬新なデザインが取り入れられています。文化財登録がなされていないのは不思議な気がします。鉄筋コンクリート造り2階建て。

京都大学・工学部建築学教室本館 1922(大正11)年
設計 : 武田五一
施工 : 直営
京都市左京区吉田本町
撮影 : 2006.11.23 & 2007.7.5
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 南側が正面。小豆色のタイルに白木を使った引き上げ窓が調和して、地味ながら、印象深く凝った意匠です。
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 裏(北側)にも湾曲した壁面がありますが、この部分も正面と同じく階段室。ここまでは去年の11月の撮影。以下は今年の7月です。
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昔の建物はエレベーターがないこともあって、階段室は主役のように大きなスペースになるわけですが、それでも螺旋階段というのは贅沢。またステンドグラスまであるそうなので、とても明るく爽やかな印象を受けます。
by gipsypapa | 2007-09-04 15:01 | 建築 | Trackback | Comments(0)