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弘前市の翠明荘洋館

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 弘前公園の東側を北上すると広大なお屋敷があります。津軽銀行頭取等をつとめた実業家の高谷家が別邸として建てたものです。1895(明治28)年の建築といわれる和館、奥座敷、四阿や土蔵などがある大邸宅の東北の端に、昭和初期に建てられた洋館があります。

 1962(昭和37)年に高谷家から所有者が変わって、旅館「翠明荘」となったあと1990(平成2)年から奥膳懐石「翠明荘」として結婚式場などにも利用されています。c0112559_15141819.jpg

 洋館は寄棟造銅板葺の屋根に淡い褐色スクラッチタイル貼りの外壁。幾何学的な直線に円窓や縦長窓を不規則に配した変化に富んだ意匠はフランク・ロイド・ライトを想起させられました。コンクリート造りに見えますが、実は木造です。

 設計施工は堀江組が担当し、棟梁を堀江佐吉の九男弥助が務めたそうです。堀江一家の洋風建築のセンスと技は驚くべきものがあります。国の登録有形文化財の木造2階建て。

翠明荘洋館
旧高谷家別邸
登録有形文化財
1934(昭和9)年
設計 : 堀江弥助(堀江組)
施工 : 堀江組
弘前市元寺町69
撮影 : 2013.8.27
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 翠明荘のHPから借用しました。洋館は右側の建物です。
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 和風建築が並ぶ敷地の南側。相当奥行きが深いです。

 敷地には日本庭園があり、日本館、奥座敷、土蔵、四阿など門を含めて、すべて国の登録有形文化財になっています。翠明荘は和館も素晴らしく、洋館を含めて内部にも見どころが多いようです。素晴らしい室内の写真はHPをご覧下さい。まさに旧帝国ホテル「ライト館」の建築様式を模したシノワという部屋があり、一見の価値があります。
by gipsypapa | 2013-12-31 15:20 | 建築 | Trackback | Comments(0)

日本基督教団弘前教会堂

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 弘前公園の東側にある教会堂。弘前メソヂスト教会の教会堂として明治期に建てられた歴史のある教会です。

 両側に塔屋を持ち、白い壁に尖塔アーチの窓が印象的で、高さを強調するフランスゴシック風といわれています。ネット情報ではパリのノートルダム大聖堂をモチーフにしたとありました。

 教会や弘前市のホームページでは、設計はクリスチャン棟梁の櫻庭駒五郎、施工は堀江佐吉の四男の斎藤伊三郎が請け負ったとなっています。しかし櫻庭の依頼で堀江佐吉が設計したという有力な説もあるそうです。青森県重宝の木造平屋、一部2階建て。

日本基督教団弘前教会堂
1906(明治39)年
青森県重宝
設計 : 櫻庭駒五郎
施工 : 斎藤伊三郎
弘前市元寺町48
撮影 : 2013.8.27
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by gipsypapa | 2013-12-30 14:59 | 建築 | Trackback(1) | Comments(2)

弘前市の三上ビル

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 弘前公園の東側に回ったところにあるテナントビル。弘前相互銀行の前身、弘前無尽株式会社の自社ビルとして建てられたものです。現在は洒落たバーや喫茶店、雑貨屋などが入居しています。

 角地の隅を切りファサードとして、3階部分に縦長窓を並べています。壁面は窓の間に垂直性を強調した柱を並べ、3階窓上部には歯飾状装飾を回すなどアールデコ調の意匠が特徴。弘前に現存する最も古い鉄筋コンクリート建造物です。

 設計の大竹巽は青森工業学校長だった人物だとか。データによっては阿保喜久五郎というのもあります。国の登録有形文化財と弘前市趣のある建物の鉄筋コンクリート造り、4階建て。

三上ビル
旧弘前無尽社屋
1927(昭和2)年
登録有形文化財
弘前市趣のある建物
設計 : 大竹巽(青森工業学校長)
施工 : 不明
弘前市元寺町9
撮影 : 2013.8.27
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by gipsypapa | 2013-12-29 10:56 | 建築 | Trackback | Comments(2)

青森銀行記念館

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 弘前公園の南側にはレトロな建物が並んでいますが、これもその一つ。明治37年(1904年)青森銀行の母体となった旧第五十九国立銀行本店本館だったものです。現在は青森銀行記念館として一般公開されています。

 ルネッサンス風の意匠を基本にした左右対称の外観。正面中央に展望台を設けた明治洋風建築で、防火建築として瓦貼り漆喰塗籠、窓は防犯・防火のため土戸(土と漆喰で固めた引戸)など、日本の土蔵造りの技術が使われています。地方小都市に残る明治建築の中で、意匠的にも特に優れたものの一つとして国の重要文化財に指定された木造2階建て。

 設計と施工はこのシリーズで何度も出てくる地元の名棟梁、堀江佐吉(1845 -1907)。後に堀江佐吉の名前が明治期の日本有数の棟梁建築家として注目されたのはこの作品によるものだそうです。堀江佐吉は祖父の代からの藩主お抱え城大工の家に生まれ、明治12年、34歳のころから函館の開拓使の工事に参加して、洋風建築の技術を習得したと言われています。東北に洋風建築を根付かせた第一人者で、大工組合の初代会頭も務めたとか。

 このブログでは佐吉以外にも何度か堀江の名前が出てきます。数多い息子たち(少なくとも9人いるようです)も棟梁として活躍し、堀江組800人と呼ばれた一大勢力を誇ったのです。

青森銀行記念館
旧第五十九銀行本店本館
1904(明治37)年
重要文化財
設計 : 堀江佐吉
施工 : 堀江佐吉(堀江組)
弘前市元長町26
撮影 : 2013.8.27
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 入館料200円で内部も見学できます。ところが私が訪ねた日は火曜日で、たまたま週一回だけの休館日でした。残念。ということで内部写真は「弘前の洋館建築」というHPをどうぞ。
by gipsypapa | 2013-12-28 09:27 | 建築 | Trackback | Comments(2)

弘前市の小堀旅館

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 昭和初期から続いている老舗旅館。入母屋の大屋根と高い軒高が特徴で当時の趣をよく残した建物です。弘前市趣のある建物に指定された木造2階建て。

小堀旅館
1938(昭和13)年
弘前市趣のある建物
設計・施工 : 不明
弘前市本町89
撮影 : 2013.8.27
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 こちらは小堀旅館から青森銀行記念館に向かって北上する途中の四つ角で見つけた蔵のような建物。切妻屋根の土蔵に見えますが腰部が煉瓦積みなのが珍しい。古いものとは思いますが、情報は見つかりませんでした。土蔵造り、平屋建て。

親方町の蔵
築年 : 不明
設計・施工 : 不明
弘前市親方町5 ‎
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by gipsypapa | 2013-12-27 10:37 | 建築 | Trackback | Comments(2)

弘前商工会議所会員邸

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 大阪屋から北の弘前城に向かって歩く途中に不思議な建物を発見しました。和風建築の道路側前面にモルタルを塗り、吹き付け部とコテ抑え部分で模様をつけています。窓のサイズや配置から見て、住宅ではなく、集会所かオフィスのような感じ。いずれにしろ謎の建物です。

 空き家になっているようで傷みが目立ちます。側面に玄関がありそこに「弘前商工会議所会員証」というプレートが貼ってあったので、こういうタイトルにしました。木造2階建て。

弘前商工会議所会員邸
昭和初期か?
設計・施工 : 不明
弘前市元大工町3
撮影 : 2013.8.27
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by gipsypapa | 2013-12-26 12:28 | 建築 | Trackback | Comments(0)

弘前市の旧工藤自轉車店

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 大阪屋の対面に古い店舗兼住宅があります。「工藤自轉車店 電話一七一一」という文字が見え、時代を感じさせますが、窓には「貸店舗」の張り紙。空き家のようです。木造2階建て。

旧工藤自轉車店
昭和初期
設計・施工 : 不明
弘前市本町33-16
撮影 : 2013.8.27
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by gipsypapa | 2013-12-25 13:56 | 建築 | Trackback | Comments(2)

弘前市の大阪屋

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 津軽藩の御用菓子司として代々受け継ぐ、寛永7年(1630年)創業の老舗の和菓子店。モルタル仕上げの外壁に格子の窓が並ぶ、町屋風店舗です。弘前市趣のある建物に指定された木造2階建て。

大阪屋
1953(昭和28)年ころ
弘前市趣のある建物
設計・施工 : 不明
弘前市本町20
撮影 : 2013.8. 27
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by gipsypapa | 2013-12-24 09:46 | 建築 | Trackback | Comments(2)

弘前こぎん研究所(旧木村産業研究所)

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 ル・コルビュジエとアントニン・レーモンドに学び、モダニズム建築の旗手として、戦後の日本建築界をリードした前川 國男(まえかわ くにお、1905 - 1986)の処女作が弘前にあります。一般に木村産業研究所として知られていますが、現在は「弘前こぎん研究所」という、こぎん刺しという、弘前に伝わる刺し子の技法を使った製品の研究販売をてがける会社になっています。

 前川はこの木村産業研究所を完成させた3年後に東京の銀座に前川國男建築事務所を開設。丹下健三、木村俊彦などの有名建築家を輩出しました。

 前川の母菊枝の生家が弘前藩士だったことから、弘前に彼が手がけた建築物が数多くあります。現在は、この旧木村産業研究所(1932年)の他に弘前中央高校講堂(1954年)、弘前市役所(1958年)、弘前市民会館(1964年)、弘前市立病院(1971年)、弘前市立博物館(1976年)、弘前市緑の相談所(1980年)、弘前市斎場(1983年)が残されています。

 真っ白の外壁に陸屋根というまったく装飾のない単純な外観。知らなければ昭和初期とは思えない現代的なビルです。我国におけるコルビュジエ風建築の最初期の作品として国の登録有形文化財とDOCOMOMO100選に指定された、鉄筋コンクリート造り、2階建て。

弘前こぎん研究所
旧木村産業研究所
1932(昭和7)年
登録有形文化財
DOCOMOMO100選
設計 : 前川國男
施工 : 不明
弘前市在府町61
撮影 : 2013.8. 27
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 ブロック塀があって、敷地に入りにくい雰囲気があったのと、これ以上近づいてもなんの装飾もなさそう。ということで撮った写真はこれくらいしかありません。
by gipsypapa | 2013-12-23 15:45 | 建築 | Trackback | Comments(6)

弘前市の旧くどう歯科

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 偶然見つけたレトロな建物。空き家みたいです。医院建築の気配がありグーグルマップで調べてみたら、この場所は「くどう歯科」となっていました。未確認ですが、隣に現在の「くどう歯科」が開業していて、この建物はその旧館ではないかと思います。それにしても古い木造2階建て。

旧くどう歯科
昭和初期以前
設計・施工 : 不明
弘前市茂森町121
撮影 : 2013.8.27
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by gipsypapa | 2013-12-22 16:41 | 建築 | Trackback | Comments(2)