<   2013年 10月 ( 22 )   > この月の画像一覧

監察院

c0112559_9505992.jpg
 台北二日目。朝から市内のレトロ建築巡りです。

 台北を代表する近代建築の一つ。地方行政の中心である台北廳廳舎として建てられ、戦後は中華民国・台湾省政府衛生処や教育廳として使用され、1958年から監察院(公務員を監察、監査する機関)となり現在に至っています。

 ギリシャ風のオーダーやアーチ窓が並ぶ巨大な庁舎で、ルネッサンスやゴシックなど様式主義の様々な形を混在させたデザイン。通りの北西角地に入口ファサードを配し、大オーダーで円形テラス抱えた玄関ポーチ。上部に大きな円形ドーム屋根とその左右には、同じく小さめのドーム屋根のある護衛塔が建ち、ここを起点に左右に比翼が広がるL字型の平面構成になっています。

 側壁の赤い煉瓦と白の花崗岩の組み合わせは明治期に流行した辰野金吾のいわゆる辰野式の影響を感じさせます。随所に施された細かな彫刻や内部の装飾が華麗な建物でした。

 設計は大阪市出身で東京帝国大学工科大学建築学科で辰野金吾に学び、日本統治時代に台湾総督府営繕課に在任。台湾の多くの官庁建築を手がけたことで知られる森山松之助(もりやま まつのすけ1869 -1949)。台湾のみならず、日本でも旧久邇宮邸(現聖心女子大学パレス)、本所公会堂(現両国公会堂)、新宿御苑台湾閣、片倉館が現存しています。国定古蹟の石、煉瓦造り、3階建て。

監察院
旧台北廳廳舎
1915(大正4)年
国定古蹟
設計 : 森山松之助 (総督府営繕課)
施工 : 不明
台北市中正区忠孝東路一段2号
撮影 : 2013.3.22
c0112559_952312.jpg
c0112559_9522021.jpg
c0112559_9523480.jpg
c0112559_9524560.jpg
c0112559_953538.jpg
c0112559_9532124.jpg
c0112559_9533695.jpg
c0112559_9534980.jpg
c0112559_954375.jpg
c0112559_9541642.jpg
c0112559_9543086.jpg
c0112559_9544226.jpg
c0112559_9545322.jpg
c0112559_955586.jpg
c0112559_9551416.jpg
c0112559_9552555.jpg
c0112559_9554579.jpg
c0112559_9555794.jpg
c0112559_9561259.jpg
 小さな中庭があります。
c0112559_9565096.jpg
c0112559_957561.jpg
c0112559_9571828.jpg
c0112559_9575257.jpg
c0112559_9584084.jpg
c0112559_9585278.jpg
c0112559_959225.jpg
c0112559_9591545.jpg
 毎週金曜日は内部の見学が可能です。予備知識はなく、偶然にも金曜日に訪問しましたが、簡単な手続きで入場できました。また日本語が出来るボランティアの女性ガイドさんに親切に案内してもらいました。
by gipsypapa | 2013-10-31 10:01 | 建築 | Trackback | Comments(4)

台湾旅行

c0112559_10433780.jpg
 まだ行ったことがなかった台湾。フリープランの3泊4日のツアーで台北旅行です。目的は食と日本時代の古い建物見物でした。

 台湾はなぜか空港のトランジットだけで素通りばかりでした。対日感情が良好で、東日本大震災のときの義援金がアメリカと並ぶ最高額だったこともあり、ぜひ感謝をこめて行くべしと思い立ちました。

撮影 : 2013.3.21-25
c0112559_10442380.jpg
 台北市内の移動は日本の地下鉄や新交通システムに相当する捷運(MRT)。日本と同じでICカードを買えば大変便利です。チャージも払い戻しも問題ありませんでした。
c0112559_10451783.jpg
c0112559_10453058.jpg
 台北市内はバイク天国。
c0112559_1047297.jpg
c0112559_10474326.jpg
c0112559_10475752.jpg
c0112559_10481240.jpg
c0112559_1048276.jpg
 台北の町並み

台北市は台湾(政府は中華民国、この辺りはややこしくてよくわかりません)の首都で、人口は261万人とありますから、日本でいえば大阪市(268万人)に相当する大都市です。

 街の印象としては、ソウルや香港、シンガポールのように現代的な高層ビルが密集して建つというわけではなく、比較的低層の古いビルが多いと感じました。その分、歴史的な建物が多く残っているのが嬉しいところで、建物ファンとしては中国の大連に行ったときに感じた印象に似ています。

 少なくとも戦前の建物は日本統治時代(1895-1945)に建てられたものなので、特に公共施設は日本人建築家の作品が多いのです。

今回、台北の近代建築を巡るのに参考にしたのは「台湾近代建築」というサイトです。住所とともに設計者や建築年のデータが載っていて大変重宝しました。
c0112559_10555450.jpg

 なお、次回から個々の建物を紹介しますが、まず設計者の名称に「総督府営繕課」というのが多く出てきます。これは台湾総督府の内部部局である土木局の下にある営繕課で、他に土木課、経理課などがありました。

 ここには日本人建築家が多く所属しており、森山松之助、福田東吾、近藤十郎、小野木孝治、井手薫、八坂志賀助、栗山俊一、福島克己らが、また土木課には野村一郎、長尾半平らが名を連ねていました。

 もう一つ台湾の文化財指定について。日本では建築物に付加する国の文化財指定は、国宝、重要文化財、登録有形文化財の3種類です。台湾では古蹟といい、一級古蹟、二級古蹟、三級古蹟、国家古蹟(一級古蹟と同等)、直轄市古蹟(二級古蹟と同等)、県市級古蹟(三級古蹟と同等)の6種類、3ランクに分類されています。




 おまけ
c0112559_1053932.jpg
 行政院の前にありました。公務員の抗議文?
c0112559_10543678.jpg
c0112559_10544741.jpg
c0112559_105459100.jpg
 台湾大学で芸能人と思われる人の撮影しているのに2箇所で遭遇。日本でも同じですが、何か輝きが一般人とは違うな~。

 では、次回から見た順番に建物の紹介をします。
by gipsypapa | 2013-10-30 11:01 | 建築 | Trackback | Comments(6)

高槻市立歴史民俗資料館

c0112559_11331224.jpg
 高槻の城跡公園にある白壁と瓦葺きの歴史民俗資料館。江戸時代中頃に高槻城下の紺屋町に建てられていた商家を移築復元したものです。緩やかな傾斜の屋根と丸瓦が特徴。昔の農機具や生活用具などの民俗文化財を展示しています。高槻市有形文化財の木造平屋建て。

高槻市立歴史民俗資料館
旧笹井家住宅
築年 : 江戸時代中期
高槻市有形文化財
設計・施工 : 不明
高槻市城内町3-10 城跡公園内
撮影 : 2012.1.3
c0112559_11334787.jpg
c0112559_11335718.jpg
c0112559_11341157.jpg
c0112559_11342267.jpg
c0112559_11343424.jpg
c0112559_11344680.jpg

by gipsypapa | 2013-10-29 11:35 | 建築 | Trackback | Comments(2)

旧工兵第四聯隊兵営跡 正門門柱・歩哨舎

c0112559_1093234.jpg
 高槻市の高槻公園に明治時代の遺構があります。明治から昭和20年までこの地にあった工兵第四聯隊(れんたい)跡です。市民の平和を祈るモニュメントとして残されているものです。

 正門門柱と門扉があり、横に円形の窓があるコンクリート製の歩哨舎が立っています。門は当時のものと思いますが、歩哨舎はコンクリート造りなので、時代的にまだ一般的ではありません。後に建てられた可能性があります。

旧工兵第四聯隊兵営跡 正門門柱・歩哨舎
1909(明治42)年
設計・施工 : 不明
高槻市城内町3-10
撮影 : 2012.1.3
c0112559_10102196.jpg
c0112559_10103164.jpg
c0112559_10104379.jpg
c0112559_10105438.jpg
c0112559_1011557.jpg
c0112559_10111575.jpg
c0112559_10112551.jpg
c0112559_10113513.jpg
c0112559_10114585.jpg
c0112559_10115530.jpg

by gipsypapa | 2013-10-28 10:12 | 建築 | Trackback | Comments(2)

鯛よし百番

c0112559_8344138.jpg
 予てより行きたかったところです。ある宴会があってやっと念願がかないました。飛田新地にある大正時代の妓楼が鯛よし百番という料理店として営業しています。飛田新地創設当時からの貴重な建築で、当時は廓百番と同じ意匠の遊郭建築が整然と並んでいたとか。ちなみにここは予約が必要です。↑ のリンクを見てください。

 建物は入母屋造,桟瓦葺の純和風建築で、2階に擬宝珠高欄を巡らしています。角を隅切りとしてファサードとし、唐破風の玄関を配しています。

 見所は内部で、小さな中庭をロの字で囲み多数の小部屋に区切ていて、当時の遊郭・料亭独特の間取りになっています。2階に上がる階段が数箇所あるのは、客同士が鉢合わせしないように配慮されたためだそうです。

 内装は日光東照宮の陽明門を模すなど、各部屋毎に異なる趣向を凝らした襖絵や天井画,手の込んだ欄間の彫刻など強烈な意匠がふんだんに配置され、当時の大阪歓楽街の賑いと庶民の嗜好を色濃く伝えています。複数の宮大工に腕を競わせて建築された国の登録有形文化財の木造2階建て。

鯛よし百番
旧廓百番(妓楼)
1918(大正7)年
登録有形文化財
設計・施工 : 不明
大阪市西成区山王3-5-25
撮影 : 2013.9.27
c0112559_8354432.jpg
c0112559_8355717.jpg
c0112559_836785.jpg
c0112559_8363160.jpg
c0112559_8392122.jpg
 玄関から入り、靴を脱ぐ前にある縁台。ここに芸妓たちが並んでいたのではないでしょうか。
c0112559_8364485.jpg
 小さな中庭があり・・
c0112559_8412284.jpg
 この太鼓橋を渡って奥へ。
c0112559_8415095.jpg
 階段のひとつ。
c0112559_842273.jpg
c0112559_8423821.jpg
 中庭手前にある陽明門のある部屋。日光東照宮を模した彫刻や襖絵、天井画がすごい。待合室のようです。以下はその部屋の内部。
c0112559_8451479.jpg
c0112559_8452517.jpg
c0112559_8453458.jpg
c0112559_8454328.jpg
c0112559_8455257.jpg
c0112559_846219.jpg
c0112559_8461338.jpg
c0112559_8463522.jpg
c0112559_8464823.jpg
c0112559_847596.jpg
 
c0112559_8473598.jpg
 清浄殿。トイレです。
c0112559_848283.jpg
c0112559_8513918.jpg
c0112559_8515119.jpg
c0112559_852575.jpg
c0112559_8522578.jpg
 私たちが使った鳳凰の間の襖絵や欄間の彫刻。襖はかなり傷んだままで放置されています。絵が修復不可能なのでしょう。
c0112559_8524464.jpg
 こちらは廊下の壁画と・・
c0112559_8533045.jpg
 天井画。
c0112559_8541432.jpg
c0112559_8542622.jpg
 夜しか撮れなかったのでWikipediaにあった昼間の写真を借用します。

 ちなみに松島新地を既に紹介しましたが、飛田新地は大阪最大の遊郭で今も現役です。ひと回りしましたが、現在にもこういう場所があるのかと驚きます。場所柄から松島新地と同様に街並みは撮影禁止になっています。というかカメラを持っていると、いろいろな店先から「兄ちゃん、写真はアカンよ。」と言われるのです。しかしどんな雰囲気か興味があるでしょう。(笑)ということでyoutube にいくつか動画がありますので、見てください。

http://www.youtube.com/watch?v=KKQOamvpyYQ
http://www.youtube.com/watch?v=pSdmXIeFmUc
c0112559_8553044.jpg
 これもWikipedia から借用した昼間の飛田新地の一角。
by gipsypapa | 2013-10-25 09:00 | 建築 | Trackback | Comments(4)

南海電鉄諏訪ノ森西駅舎

c0112559_8514071.jpg
 蛸地蔵駅高師浜駅と同じく、南海電鉄の大正時代に建てられた一連のレトロな駅舎の一つ。建物は通り抜けの改札部分と事務室になっています。全体としてアーチ状になる小窓を並べ、浜寺から淡路島に向かう海岸の風景を描いたステンドグラスをはめ込んでいます。

 また縦長窓やガラスブロックの明かり採りなど、小さいながら各所に特色あるデザインがちりばめられていて、見るべきものがあります。国の登録有形文化財の木造平屋建て。

南海電鉄諏訪ノ森西駅舎
1919(大正8)年
登録有形文化財
設計・施工 : 不明
堺市西区浜寺諏訪森町西2-78
撮影 : 2013.2.10
c0112559_8541754.jpg
c0112559_8542990.jpg
c0112559_8543976.jpg
c0112559_8545084.jpg
c0112559_855858.jpg
c0112559_8551869.jpg
c0112559_8552950.jpg
 この駅は上りと下りのプラットフォームがかなり離れていて、このレトロな駅舎は上りホームにしかありませんのでご注意ください。

 諏訪ノ森は他にも見たい建物がいくつかありましたが、ここで下車したのは既に夕刻。ヴォーリズの富久邸を詳しく見たこともあり、時間切れになってしまいました。
by gipsypapa | 2013-10-24 08:55 | 建築 | Trackback | Comments(2)

浜寺聖書教会

c0112559_8584917.jpg
 1丁目の昭和聖書教会と混同しそうですが、こちらは浜寺公園の駅の近くにあります。この建物も戦後すぐの築で、同じく福音交友会と思われますが、その表示はありませんでした。木造平屋建て。

浜寺聖書教会
1950(昭和25)年
設計・施工 : 不明
堺市西区浜寺昭和町4-462
撮影 : 2013.2.10
c0112559_912054.jpg
c0112559_913041.jpg
c0112559_913974.jpg
c0112559_914980.jpg
c0112559_915764.jpg

by gipsypapa | 2013-10-23 09:02 | 建築 | Trackback | Comments(2)

浜寺聖書幼稚園事務棟

c0112559_10252619.jpg
浜寺聖書教会の隣にスクラッチタイルの門柱が立っています。個人住宅の表札と浜寺聖書幼稚園の旗が下がっていました。ネット情報によると錦華紡績社長の佐藤進邸として建築されたそうです。浅い寄せ棟屋根に真っ白な壁の清潔なイメージの洋館。現在は浜寺聖書幼稚園の事務棟として使われています。木造2階建て。

浜寺聖書幼稚園事務棟
旧佐藤進邸
1929(昭和4)年
設計・施工 : 竹中工務店
堺市西区浜寺昭和町1-63
撮影 : 2013.2.10
c0112559_10261548.jpg
c0112559_10263614.jpg
c0112559_10264935.jpg
c0112559_1027048.jpg
c0112559_10271166.jpg

by gipsypapa | 2013-10-22 10:28 | 建築 | Trackback | Comments(2)

福音交友会 昭和聖書教会

c0112559_8403821.jpg
 とんがり屋根が特徴で、水色の屋根の色と白い壁に濃い焦げ茶色の線を強調した斬新なデザインが印象的で瀟洒な教会堂。戦後すぐの献堂です。福音交友会というのは聞き慣れませんが、ここに本部を持つプロテスタント福音派の団体だそうです。木造、平屋建て。

福音交友会 昭和聖書教会
1951(昭和26)年
設計・施工 : 不明
堺市西区浜寺昭和町1-63
撮影 : 2013.2.10
c0112559_8413480.jpg
c0112559_8414549.jpg

by gipsypapa | 2013-10-21 08:41 | 建築 | Trackback | Comments(2)

堺市浜寺の藤井家住宅

c0112559_1242415.jpg
 阪之上家住宅から小川沿いに東に行くと、もう1棟スパニッシュ風の洋館があります。2階建の赤い瓦葺きの本屋に、平屋の陸屋根の応接間のようなものが隣接している大きな住宅です。かなり大胆で変化に富んだデザインで、本屋2階にある円形に張り出したベランダが目を引きます。大変印象的な、木造2階建て。

藤井家住宅
昭和初期以前
設計・施工 : 不明
堺市西区浜寺昭和町5
撮影 : 2013.2.10
c0112559_125731.jpg
c0112559_1252388.jpg
 側面はスパニッシュ風の洋館。
c0112559_125414.jpg
c0112559_1255569.jpg
 正面にユニークな円形のベランダがあります。
c0112559_1261573.jpg

by gipsypapa | 2013-10-19 12:10 | 建築 | Trackback | Comments(2)