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神戸大学 兼松記念館(経済経営研究所)

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 本館の2年後の築。本館とよく似たシンメトリックな外観で、薄い褐色のスクラッチタイル貼りに最上階は連続アーチ窓。大きな柱と分厚い庇の車寄せが特徴の建物。簡潔にまとめられた、いかにも学校建築という意匠です。鉄筋コンクリート造り3階建て、両脇から後方に延びる短い翼部は2階建の登録有形文化財。

 この名前についている兼松というのは、現在の総合商社兼松株式会社のことで、創業者兼松房治郎の遺志を継いで行われた社会貢献事業の一環として当時の神戸高商へ寄贈されたものです。兼松は他にもオーストラリアにシドニー病院兼松病理学研究所、国内では一橋大学兼松講堂(1927年、伊東忠太設計)などの寄贈をしています。

神戸大学 兼松記念館(経済経営研究所)
旧神戸商業 兼松商業研究所 1934(昭和9)年
登録有形文化財
設計 : 文部省営繕
施工 : 大林組
神戸市灘区六甲台町2-1
撮影 : 2008.2.11
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 正面は本館によく似ています。最上階にアーチ窓が並ぶのは同じですが、こちらはロンバルディア帯などの装飾がなく簡素です。
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 この巨大な柱と分厚い庇の車寄せが特徴。
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 玄関扉が閉まっていたのでガラス越しに玄関ホールを。見にくいのですが、市松タイル敷で階段手摺上部の鋳物飾りが素晴らしいとか。
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 コの字型の建物で、張り出し部は2階建。
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by gipsypapa | 2008-10-31 11:13 | 建築 | Trackback | Comments(2)

神戸大学六甲台本館

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 神戸大学に昭和初期の建築が並んでいることを知り行ってみました。この日は建国記念日で休日。キャンパス内は学生の姿がほとんどなく、静かに見学することができました。

 まずは門を通って階段を上ったら、まず正面にある本館から。神戸大学の前身、旧神戸商業大学の本館として建てられた建物で、学校建築特有のシンメトリックな大規模建築。外観は淡い褐色のスクラッチタイル貼りで、3階部分にはアーチ窓を並べ、軒をロンバルディア帯(連続小アーチ形装飾帯)が取り巻き、内部にも半円アーチのファンライトがあるなど重厚です。

 設計は数々の学校建築を手がけた文部省営繕。明治時代は山口半六、久留正道、真木英夫などの有名な建築家がいましたが、神戸大学設計時の昭和初期の担当者はよくわかりませんでした。登録有形文化財の鉄筋コンクリート造、地上3階、地下1階建て。

神戸大学六甲台本館
旧神戸商業大学本館 1932(昭和7)年
登録有形文化財
設計 : 文部省営繕
施工 : 大林組
神戸市灘区六甲台町2-1
撮影 : 2008.2.11
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 正門から階段を上がると本館です。人の気配がありません。
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 建物正面の3連アーチ窓。下部の軒を横に走るアーチ型の装飾がロンバルディア帯。
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 大きな建物ですから、側面から後ろへ廻るのも一苦労。
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 正面の車寄せのある玄関ポーチも大きい。
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 玄関周りのレトロな装飾。
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 内部も重厚で大理石張りの階段がありました。
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 この美しい半円アーチのファンライトは「近代建築散歩 京都・大阪・神戸編」に載っていた写真が気に入って見たかったもの。側面の通用口にありました。
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by gipsypapa | 2008-10-29 15:32 | 建築 | Trackback(1) | Comments(10)

甲南漬資料館

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 引き続いて清水栄二設計の洋館です。江戸時代末期からある甲南漬という奈良漬のような漬物の会社の旧社長宅だった昭和初期の住宅建築。モダニズム風の外観ですが、向って左側の階段室の屋根は放物線アーチ。随所にアールデコの装飾やステンドグラスの丸窓があったりする、カルチャーミックス的な見どころの多い優れたデザインです。

 現在、甲南漬資料館として、無料で一般公開されています。鉄筋コンクリート造、2階建。

甲南漬資料館
旧高嶋平介邸
1931(昭和6)年
設計 : 清水栄二
施工 : 不明
神戸市東灘区御影塚町4-4
撮影 : 2008.2.10
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 左側階段室の縦長窓は三角形に張り出したモダンなデザイン。
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 向かって右には八角形を半分にした張り出し。1階、2階共にサンルームのようです。
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 外観はモダニズム風ですがスパニッシュ風の煙突があったりします。
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 玄関の円形庇が面白い。
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 アールデコ調の玄関灯。
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 1階は建物の真ん中を一直線に廊下が走り、両側は飲食店や展示場となっています。
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 応接間や和室があって・・・
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 突き当りにはステンドグラスの丸窓。
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 昔ながらの水周りやレジ機。
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 2階へ上がる階段。手前の欄間の模様もアールデコ調です。
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 2階のサンルーム。
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階段の3角形張り出し窓を内部から。
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by gipsypapa | 2008-10-27 14:35 | 建築 | Trackback(2) | Comments(4)

神戸市立東灘区民センター分館(魚崎児童館)

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 灘中・灘高の近くにある昭和にしてはクラシックな外観の建物があります。神戸市に編入される前の魚崎町の役場でした。

 設計は地元出身で神戸市の営繕課長を経て独立し、当時は清水建築事務所だった清水栄二。代表作の御影公会堂を始めとして農林水産消費技術センター(旧神戸市立生糸検査所)、帝国信栄ビル、旧森高等女学校(現神戸学院大学附属高等学校)などの公共施設や甲南漬資料館(旧高嶋平介邸)、神戸大学ロイ・スミス館(旧大谷邸)などの住宅建築も手掛けました。

 あずき色の外壁にファサードはテラコッタ・タイルを貼った、公共施設らしい意匠ですが、玄関周りに少しアールデコを感じさせる工夫が見られます。鉄筋コンクリート造り、3階建て。


神戸市立東灘区民センター分館(魚崎児童館)
旧魚崎町役場
1937(昭和12)年
設計 : 清水栄二
施工 : 竹中工務店
神戸市東灘区魚崎中町4-3-16
撮影 : 2008.2.10
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by gipsypapa | 2008-10-26 22:13 | 建築 | Trackback | Comments(0)

灘中学校・高等学校本館

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 1928(昭和3)年に開校し、進学校として全国的に有名な灘中・灘高。旧制灘中学校時代の校舎で今も事務棟として使用されている本館です。

 設計は関西を中心に奈良国立博物館、難波橋莫大小会館生駒時計店などの多くの建築物の設計を手がけ、関西建築界の重鎮として活躍した宗兵蔵(そう ひょうぞう)の建築事務所。

 宗兵蔵といえば、難波橋や生駒時計店の印象が強く、装飾の多い濃密なものを思い起こしてしまいますが、この建物はモダンですっきり仕上げた軽快な外観です。とはいえ瀟洒な白い校舎に上部を3角形にとがらせた尖頭アーチ形の窓枠を並べ、玄関ポーチ周りには細部に装飾を凝らした洋風建築。登録有形文化財の鉄筋コンクリート造り2階建て。

灘中学校・高等学校本館
旧制灘中学校校舎
1928(昭和3)年
登録有形文化財
設計 : 宗兵蔵(宗建築事務所)
施工 : 不明
神戸市東灘区魚崎北町8-5-1
撮影 : 2008.2.10
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  門の形は特徴があります。灘育英会という看板が見えます。灘といえば酒づくり。嘉納治郎右衛門(菊正宗)、嘉納治兵衛(白鶴)、山邑太左衛門(櫻正宗)という酒造家たちによって設立された学校法人です。
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  玄関ポーチも装飾がありますが、宗兵蔵にしては大人しい。
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 見所の尖頭窓。モダンな形ですね。
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北側の側面。こちらにも同じ形の通用門。
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 北西角から見た本館。コーナーは角が落してあり、3階建てに見えますが、ここは階段室でしょう。古典主義からモダニズムへ移行する過程を伝える建物でした。
by gipsypapa | 2008-10-25 16:16 | 建築 | Trackback(1) | Comments(0)

ヨドコウ迎賓館

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 れも2年以上前の写真です。芦屋川沿いの小高い丘、緑の中に建つモダンで瀟洒な住宅。有名なフランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)の設計した貴重な作品、旧山邑(やまむら)邸です。

 この建物は、ライトが1915(大正4)年から旧帝国ホテル設計のために来日していた時に、櫻正宗で知られる灘の酒造家・山邑太左衛門の別邸として設計されたものです。彼自身は1922(大正11)年に帰国しましたが、 弟子の遠藤新や南信らに引き継がれ完成しました。戦後すぐに淀川製鋼所がこの建物を購入。社長邸のあと独身寮として使用していましたが、現在はヨドコウ迎賓館として一般公開されています。

 訪れたころはライト作品に思い入れが強くなかった(というかあまり知らなかった)のと、受付まで行って、有料なのに館内の写真撮影が禁止されていると聞き、短気を起して中を見ずに帰ってしまいました。そのあと東京で自由学園明日館を見て、ライト建築の造形美の素晴らしさを体験。今になって、よく見なかったのを後悔しています。重要文化財の鉄筋コンクリート造4階建。

ヨドコウ迎賓館
旧山邑家住宅
1924(大正13)年
重要文化財
設計 : F.L.ライト+遠藤新+南信
施工 : 女良工務店
芦屋市山手町3-10
撮影 : 2006.5.6
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 この直線で構成された独特のフォルムは巨匠ライトの特徴がよく出ています。日本ではまだまだ古典主義が多かった大正時代に、このようなモダンなデザイン。さすがです。
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 このように芦屋の森の高台に建っています。外観もそうですが、自由学園明日館の例からすれば、内装も美しいはず。またいつかは再訪するつもりですが、いつになるかわからないので、とりあえず少ない写真をアップすることにしました。
by gipsypapa | 2008-10-24 13:48 | 建築 | Trackback | Comments(6)

滴翠美術館

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 阪急電鉄の芦屋川駅北側の閑静な住宅地にある美術館です。訪れたのは2年以上前。

 大阪倶楽部高麗橋野村ビルディング大阪瓦斯ビルヂングなどの優れた作品を残した安井武雄の数少ない住宅建築です。ちなみに持ち主だった山口吉郎兵衛は山口銀行の創始者。

 私自身が当時はまだヴォーリズ以外の建物にそれほど興味がなかったのと、訪ねた日は休館日で立ち入り禁止の立札があったこともあり、ざっと一回りしただけでした。今に思えば、もう少しまともに撮っておけばと後悔しています。関西モダニズム20選に選ばれた鉄筋鉄骨コンクリート造4階建。

滴翠美術館
旧山口吉郎兵衛邸
1933(昭和8)年
設計 : 安井武雄
施工 : 竹中工務店
芦屋市山芦屋町13-3
撮影 :2006.5.6
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 寺院のようなバルコニーがあったりして、かなり和風に見えますが、モダニズムの中に高麗橋野村ビルと共通する濃密な意匠が見え隠れしています。じっくり見るには休日を避けて、開館の日に行くしかないようです。
by gipsypapa | 2008-10-23 17:30 | 建築 | Trackback | Comments(2)

芦屋市立図書館打出分室

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 阪神電車の打出駅の北側に重厚な石造りの図書館があります。図書館に似つかわしくない建物ですが、実は鉄筋コンクリート造りに石積みの外装を施したもの。もともとは明治時代後期から大正にかけて大阪にあった逸見銀行の建物を昭和5年(1930年)に移築したそうです。

 一時期は個人の仏教美術収納庫だったようですが、1952(昭和27)年に芦屋市が買い取って図書館になりました。作家の村上春樹氏が気に入ってよく通っていたとか。鉄筋コンクリート造2階建・外装石積。

芦屋市立図書館打出分室
旧逸見銀行
大正期
設計 : 不明
施工 : 不明
芦屋市打出小槌町15-9
撮影 : 2007.9.16
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 軒高の高い2階建。2階部分にはアーチ窓が並び、一見ヨーロッパのお城のような外観をしています。これだけの高さまで石積み風な建物はヨーロッパでもあまり見ないかも。
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 玄関の意匠はなぜか中華風。
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 道を挟んだ打出天神社から。図書館なので休日でなければ、中に入れたでしょうが、仕方がありません。
by gipsypapa | 2008-10-22 16:18 | 建築 | Trackback | Comments(2)

芦屋モノリス

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 電話交換局として昭和初期に建造された旧逓信省芦屋別館。その後NTT西日本芦屋別館事務棟として使用されていましたが、2003年末から閉鎖されていました。現在はウェディング・レストラン「芦屋モノリス」になっています。

 大きな半円アーチ窓が並び、1階と2階部分は濃淡2色の色違いのスクラッチタイルを貼った建物。鉄筋コンクリート造り、2階建。

 設計は旧祇園電報電話局(NTT西日本祇園別館)や広島郵便局電話分室と広島逓信局庁舎など数多くの逓信局舎建築作品を手がけた逓信省営繕課の上浪朗(うえなみあきら)。


芦屋モノリス
旧逓信省芦屋別館
1929(昭和4)年
設計 : 上浪朗(逓信省)
施工 : 不詳
芦屋市大桝町5-23
撮影 : 2007.9.16
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by gipsypapa | 2008-10-21 14:46 | 建築 | Trackback | Comments(2)

芦屋警察署

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 阪神電車芦屋駅の北側に残っているロマネスク様式の警察署。阪神大震災の被害を受け、新館に建て替える時に、旧庁舎のファサードと玄関部分を保存したものです。新館の外観も旧館のデザインを取り入れていて、自然な形で再生されています。

 コーナーにある玄関はアーチ型で御影石造り。正面上部のミミズクの彫刻が印象的なシンボルになっています。鉄筋コンクリート造り2階建て、一部石造り。

芦屋警察署
1927(昭和2)年
設計 : 兵庫県内務局営繕課
施工 : 不詳
芦屋市公光町6-7
撮影 : 2007.9.16
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 残したのは正面ファサードだけですが、新館(手前)とうまくマッチしています。
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 御影石のアーチ型玄関とミミズクの彫刻。夜間の警備をする警察ならではの象徴です。
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 玄関内部も昔の形で残っています。
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 玄関両側も石造りにし、昔の灯具や窓にアイアングリルを使ってオリジナルのレトロ感を出しています。
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by gipsypapa | 2008-10-20 10:27 | 建築 | Trackback(1) | Comments(2)