2008年 10月 04日 ( 1 )

門司の旧三井物産社宅

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 細い坂道を上って、カボチャドキア国立美術館(旧三井物産寮)の手前にある旧三井物産社宅。寮よりさらに古く、なんと明治後期の築で100年前です。かつてはここに4棟あったそうですが、今は2棟のみが残っています。

 こちらも急勾配の三角切妻屋根に屋根窓を持つ木造2階建。2世帯が入る、いわゆるダブルハウスです。明治時代ではかなりユニークでセンス溢れる意匠です。現在は空き家になっていて、残る2棟も解体撤去の危機にあるそうです。
http://mojiblog.sa-ba.jp/
 「所有者の方は保存を望んでおられますが経済的に難しい状況です。そこで、どうにかして保存できないかとブログを使って情報発信を開始されたという次第です。」と書いてあります。実際に2棟目の解体時(2007年)の写真も紹介されています。

 4棟あったうち、2棟が既になく、跡が空地になっています。ちょうど対角線上の2棟が残っていました。1枚目の写真の左をA棟、右をB棟と仮に名づけます。

残念ながら解体されたそうです。(2008.12.23)

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旧三井物産社宅 1907(明治40)年ころ<解体>
設計・施工 : 不明
北九州市門司区谷町2-6-34
撮影 : 2008.5.3

 まずA棟から。
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↑こちらはA棟。AもBも同じデザインで2世帯が左右対称です。玄関周りが面白い。ポーチの切り欠き形状。柱はギリシャ風。まだ日本ではコンクリートはポピュラーではなかった時代ですが、石造りか?

赤 い瓦は和瓦ではないし、スペイン瓦でもない、あまり見たことがない形。屋根窓が印象的です。A棟は屋根窓と出窓の窓枠はサッシに変わっています。

次はB棟。
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 ↑もう一つのB棟はあまり手を加えてなく、当時の様子をよく留めています。
こちらの窓は昔のままの木枠。ライトブルーに塗られています。100年以上前の建物とは思えない良好な状態です。

 このまま壊してしまうのはあまりにも惜しい。門司レトロの開発も大型建物だけではなく、このようなこじんまりしながらも、他に類のない貴重で優れた住宅建築にも注目して欲しい。市街地から離れていて、難しいとは思いますが、カボチャドキア国立美術館と抱き合わせで、この地域の活性化のアイデアがないのでしょうか。私が何か出来るわけではなく、無責任な発言で申し訳ありませんが、いろいろな建物を見てきた者として、これは絶対なくしてはならない財産と思うからです。
by gipsypapa | 2008-10-04 22:24 | 建築 | Trackback | Comments(8)