2008年 10月 01日 ( 1 )

門司の西海岸1号上屋

c0112559_13174612.jpg
 門司区役所からJRの線路を跨ぎ、海側に来ました。この長大な建物は旧門司税関一号上屋で、戦前は「旧大連航路上屋」の通称で呼ばれた、国際貨客ターミナルで、大陸植民地への表玄関でした。当時はすぐ横の道路部分に岸壁があり、大陸への玄関口として大型客船が接岸していました。その後は門司税関などが事務所や倉庫として使ってきましたが、老朽化したため、今は使われていないようです。

 国会議事堂などを手がけた建築家大熊喜邦が設計に係わったと言われ、アールデコを感じる興味深い建物で、長さは100メートルもあります。近い将来には市が建物を取得し、上屋の細部を建築当時に復元して保存・活用に乗り出すそうです。鉄筋コンクリート造り2階建て。

西海岸1号上屋
旧門司税関1号上屋(旧大連航路待合室) 1929(昭和4)年
設計 : 大蔵省営繕管財局工務部工務課
施工 : 清水組
北九州市門司区西海岸1
撮影 : 2008.5.2
c0112559_13185619.jpg
 玄関脇にあった説明板。左下の写真に、大型客船(左)が接岸し、待合所(右)から、見送りのテープが何本もたなびいている様子が写っています。当時は大陸へ行き来する乗降客や見送り客で賑う、華やかな場所だったことがうかがわれます。
c0112559_13193249.jpg
c0112559_1320544.jpg
c0112559_13202960.jpg
c0112559_13204579.jpg
 ずいぶん古くなっていますが、昭和初期にしては装飾の多い入口。確かにアールデコ。
c0112559_13213177.jpg
 玄関両脇の半円形のブースは検問監視室です。
c0112559_13222122.jpg
 山側は 「階下 旅具検査場」。今の税関ですね。漢字の書体もレトロ。
c0112559_13225619.jpg
 海側には 「階上 待合室」。通関を終わったら2階に上がって船を待つ。
c0112559_13233794.jpg
c0112559_13234598.jpg
 とにかく長大な建物。接岸した客船がいかに大型だったかを想像させます。
c0112559_13243439.jpg
c0112559_13244631.jpg
c0112559_13245662.jpg
c0112559_13255253.jpg
 外壁には色々と絵が描かれています。一般公募の壁画や、地元出身のイラストレーターである「わたせせいぞう」氏の絵もあって、古い建物に華やかさを加えています。
c0112559_13262294.jpg
c0112559_13263232.jpg
c0112559_13264662.jpg
 ↑3枚が「わたせせいぞう」作品です。
c0112559_13274946.jpg

 今後は上屋の細部を建築当時に復元し、緑地の広場などを設けて市民や観光客の憩いの場とするそうなので、この素晴らしい建物が生き残るのは嬉しいです。なんとかオリジナルのレトロな雰囲気を、このまま残して欲しいものです。
by gipsypapa | 2008-10-01 13:32 | 建築 | Trackback | Comments(4)