門司の旧岩田商店(岩田家住宅)

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 関門連絡船の船着き場でもらった門司レトロ地図に出ていたので、訪ねてみました。国道2号東本町2丁目交差点の北西角にあり、予想通りの黒壁の和風建築でしたが、よく見ると北と西の壁に煉瓦の防火壁があり、なかなか珍しい建物でした。酒蔵と住宅が併用されています。北九州市指定有形文化財の木造2階建て、片入母屋造桟瓦葺き、鼠漆喰仕上げ居蔵造。

旧岩田商店(岩田家住宅)1921(大正10)年
北九州市指定有形文化財
設計・施工 : 石田要三・外部千松(大工)
北九州市門司区東本町2-6-24
撮影 : 2008.5.2
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 レトロな「富の寿」の看板の下には「岩田酒店」と書いてあります。ちなみに「富の寿」は福岡(久留米)の酒です。
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 軒下の看板は「岩田商店」。どっちでもいいのですけど。
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 1枚目の写真の方向から近づいたので、ただの古い和風建築かと思っていたのですが、西の端に洋風のモルタルの柱が・・・
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 西側に和風建築には珍しい煉瓦の防火壁。上部がトタンで隠れていますが、ここも煉瓦でしょう。
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 東側の住宅を見ながら北側に行くと・・・
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 こちらも煉瓦塀。出入り口が一つもないので、完全に防火が目的です。門司は1932年と1945年(門司大空襲)に火災があったそうなので、この防火壁は少なくとも1932年以降に追加された可能性があります。今は両方空地ですが、昔は西も北も隣家が接近して建っていたのでしょう。
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 西側の一部、上の方が崩壊しかけているのが気がかり。これから見るとトタンが被っている箇所も危険な状態だからかも知れません。
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 ここまで書いて、ネットを検索していたら、その数年前の写真がありました。手前に小さな木造家があるし、西面の煉瓦塀はもっと大規模だったことがわかります。
 2006年の台風で被害を受けたとか。少なくとも酒店は廃業のようです。市の指定有形文化財とはいえ、補修はかなりの費用がかかりそうなので、難しいかも知れません。
by gipsypapa | 2008-09-22 10:36 | 建築
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