下関市庁舎第一別館

c0112559_13402477.jpg
 唐戸西之端町大通を旧ロダン美容室から元商工会議所のあった空き地を挟んで西に移動したところにある、大正時代の電話局舎。当時の逓信省営繕課には分離派で有名な山田守らがいて、この建物も装飾性と機能性を追求した「分離派」と呼ばれる建築様式です。

 外壁はモルタル階段仕上げ、フルーティング(縦溝彫り)のある円柱、3階の半円アーチ窓、階段室最上部の放物線のアーチが印象的な大正後期近代建築の名作。

 9年前に一時解体が決まっていたそうですが、市民の熱心な要望活動が実を結んで保存が決定。「今後の再活用が検討されている。」らしいのですが、現実には、建物右半分はネットが張ってあり、中は空き家の状態でした。下関市指定有形文化財に指定され、建物名が下関市庁舎第一別館となっていますので、市の資産になっているのでしょう。鉄筋コンクリート造と煉瓦造の3階建て。

下関市庁舎第一別館
旧下関郵便局電話課分室 1923(大正12)年
下関市指定有形文化財
設計 : 逓信省営繕課
施工 : 不明
下関市田中町5-7
撮影 : 2008.5.1
c0112559_13414792.jpg
 フルーティングの円柱が並び、シンメトリーではなく3階部分を西の端に置いた設計。古典主義とは明らかに違います。タイルで縁取りをした3階の半円アーチが印象的。
c0112559_13434069.jpg
c0112559_13435477.jpg
c0112559_1344713.jpg
 円柱の近接写真と木枠の窓。窓は傷みが目立ちました。
c0112559_1345861.jpg
c0112559_13452384.jpg
c0112559_13453910.jpg
c0112559_1346847.jpg
 
c0112559_13462366.jpg
 西側に田中川という小川が流れています。川越しに西面を見ると階段室があり、最上部は不思議な形のパラボラアーチ。
c0112559_1348750.jpg
 北側の裏へまわって階段室を。
c0112559_13484361.jpg
 ガラス越しに中を見たら、やはりもぬけの殻です。
c0112559_134922100.jpg
 今後はどうなるのか。地方自治体の財政問題がクローズアップされている折、活用のための改修費を予算化するのも大変でしょう。保存が決まってもうすぐ10年。見通しは明るいとは言えない気がします。
by gipsypapa | 2008-09-08 13:53 | 建築 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://gipsypapa.exblog.jp/tb/9659891
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by j-garden-hirasato at 2008-09-08 19:56
このままでは、
どんどん老朽化してしまいますね。
でも、行政は財政難だから、
結局なにもしてくれないし…。
市民が自らもっと動かないと、
なくなっちゃますよ、こういう建物は。
自分の町ではないので、
何もできませんが。
Commented by gipsypapa at 2008-09-09 10:39
j-garden-hirasato さん、私も何もできませんが、下関レトロを観光の目玉にするなら、
やはり県か市がなんとかしなければいけないでしょうね。
市民は残すべきという運動まではやりますが、お金を出すことは、まずないでしょうし。
Commented by retoroman at 2008-10-09 23:55 x
つい最近、昭和の名女優「田中絹代」記念館としての稼働が決定しました。
Commented by gipsypapa at 2008-10-10 09:47
retoroman さん、そうですか。いいニュースです。
少しお色直しをしての開館になるでしょうが、このレトロ感は残してほしいです。
<< 旧下関国鉄ビル(旧山陽ホテル) 下関の旧ロダン美容室 >>