山口銀行旧本店

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 ろうきん下関支店(旧不動貯蓄銀行下関支店)のある旧銀行街の通りを西の端まで行くと、少し大型の銀行建築があります。当初、三井銀行下関支店として建てられた後、百十銀行本店、山口銀行本店、同観音崎支店を経て、現在は山口銀行旧本店として一般開放されています。(無料)

 正面の外壁は御影石。イオニア式とコリント式を組み合わせた柱頭をもつピラスター(付け柱)、正面窓上部の午頭彫刻、頂部に櫛型のペディメント(妻飾り)、軒上の飾り壷など、古典主義建築そのもの。内部は2層吹き抜けの営業室の周囲に歩廊を巡らせた典型的な銀行建築です。

 辰野金吾の下で学び、銀行建築の設計に多く関わった長野宇平治の設計。奈良県庁舎などの和風意匠や日本銀行をはじめとした銀行建築における古典主義系のデザイン建築で知られています。山口県指定有形文化財の鉄筋コンクリート(一部煉瓦造)2階建。

山口銀行旧本店
旧三井銀行下関支店 1920(大正9)年
山口県指定有形文化財
設計 : 長野宇平治
施工 : 竹中工務店
下関市観音崎町10-6
撮影 : 2008.5.1
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 柱は強度材ではなく溝掘りのある付け柱。柱頭は渦巻状のイオニア式とアカンサスの葉飾り、コリント式を組み合わせたものでコンポジット式というそうです。緩やかなアーチ窓の上部に牛がいます。
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 一般開放されているのを知りませんでした。あらかじめ調べたネット情報では「空家同然の建物となり放置されている」と書いてあったのです。近づいてみると予期せぬことに中央の玄関扉が開いていたので、中に。
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 玄関を通ったら風除室があり左右にドアがある形は、辰野金吾の京都文化博物館・別館(旧・日本銀行京都支店)と同じです。
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 吹き抜けの営業室に窓口が並んだ姿や2階に歩廊を巡らしたのも京都文化博物館・別館と同じ、典型的な銀行のスタイル。もぬけの殻の営業室の高い天井。しばらく中を見ていると別の見学のグループがあって、案内人がいらっしゃいました。元山口銀行にお勤めだったとか。私たちも合流。
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 銀行ですから金庫がありますが、扉はあまり厚くはありません。
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 欅造りの階段は複雑な曲線を描くワニス塗の手摺りに特徴があり非常に珍しいものとの説明を受けました。当時の絨毯と共に残っています。
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 階段を上って2階歩廊へ。2階には山口銀行創立当時、頭取室、頭取応接室、人事部として使われていた小部屋がならんでいました。この歩廊を回って頭取が行内を見張っていたのかも。
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 2階から見た亀甲タイル張りのロビーの床。
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 屋上へ上がる途中に屋根裏も見せてもらいました。一部煉瓦造りというのを、ここにきて納得。
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 さらに小さな階段を上って屋上へ。
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 石の飾り壺。クラーテールという渦巻形把手の形をした古代ギリシャ時代の器形装飾とか。
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 同じく石材を使ったパラペットと瓶子型のバラスター。関門海峡を見下ろす眺めがいいですね。
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 ホームページを見ると株式会社山口銀行旧本店となっています。会社組織として維持管理されているのでしょうか。私が訪ねた時は二組だけの見学者でしたが、ぜひこのまま続けてほしいものです。
by gipsypapa | 2008-09-05 14:52 | 建築 | Trackback(1) | Comments(2)
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Commented by j-garden-hirasato at 2008-09-08 05:51
重厚な建物ですね。
銀行って感じです。
それにしても、
建物の内部は何で吹き抜けなんでしょうね。
効率よく使うなら、
各階ごとにフロアーを作ったほうがいいと思うんですが。
格式を重んじたってことでしょうか。
Commented by gipsypapa at 2008-09-08 14:01
j-garden-hirasato さん、無駄な空間ですよね。
想像するに、当時は必ずしも信用されていなかった(今もそうなりましたが)
銀行の格式と権威を表して、うちの銀行は絶対つぶれませんと言いたかった?
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