日本基督教団福岡警固教会

日本基督教団福岡警固教会_c0112559_1554755.jpg
 福岡市の中心部を南北に走る「けやき通り」を南に入ったところに建つ、蔦が生い茂り、緑で覆われている教会。福岡市景観賞を受賞しています。

 昭和初期の献堂で幾何学的な形をしています。当時の教会建築としては斬新で珍しいと感じますが、それには理由がありました。

 設計者は中村鎮(まもる)。「関根要太郎研究室@はこだて」で紹介されていますが↓、
http://fkaidofudo.exblog.jp/6443344
「中村式鉄筋コンクリートブロック造」の建築を設計し、大正から昭和初期に活躍した建築家です。ブログでも紹介されているように、大正10年4月に起きた函館大火の後に「銀座街」建設を設計したことで有名ですが、実は中村鎮氏は福岡の出身なのです。(福岡県糸島郡波多江村生まれ、福岡市の私立中学を卒業)

 つまりこの福岡警固(けご)教会も九州では最初期の鉄筋コンクリートブロック造なのでした。鉄筋コンクリートブロック造り、2階(一部3階)建て。

日本基督教団福岡警固教会 1929(昭和6)年
設計 : 中村鎮
施工 : 田中忠雄
福岡市景観賞 2006
福岡市中央区警固2丁目11-20
撮影 : 2007.8.15
日本基督教団福岡警固教会_c0112559_1575627.jpg
 正面(東側)を見てわかるように正方形の集合。
日本基督教団福岡警固教会_c0112559_1581050.jpg
日本基督教団福岡警固教会_c0112559_1582837.jpg
 エントランスとポーチ。
日本基督教団福岡警固教会_c0112559_1585042.jpg
日本基督教団福岡警固教会_c0112559_159687.jpg
日本基督教団福岡警固教会_c0112559_1592043.jpg
 南面は一面に蔦が絡まって。
日本基督教団福岡警固教会_c0112559_1592973.jpg
 外見からだけでは、よくわかりませんが、「鎮(Chin)式ブロック」(中村式鉄筋コンクリートブロックの通称)と呼ばれるコンクリートブロックを積み重ねた構造なのです。

 ちなみに東京の弓町本郷教会 http://www.yumichohongo.com/ も中村鎮設計の教会です。
by gipsypapa | 2007-11-21 15:23 | 建築
<< 福岡管区気象台 カトリック浄水通教会 >>