綿業会館

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 大阪では有名な建物です。渡辺節設計で国の重要文化財。渡辺節といえば関西を中心に優れた作品が残っています。すでに紹介した神戸の乾邸は代表作の一つ。
http://gipsypapa.exblog.jp/5583803
ということはこの綿業会館も中が見たいところですが、まだ願いはかなっていません。月に1回内覧可能なのはわかっているのですが・・・
 鉄骨鉄筋コンクリート造6階建て、地下1階、塔屋付。

ネットにあったHPから。内部写真もあります。素晴らしい。
http://www.mengyo-club.or.jp/

< 綿業会館とは・・・。1928年に「日本の綿業 の進歩発展を図るため」という岡常夫氏(当時東洋紡績専務取締役)の遺言で100万 円の寄付を受け、関係業界からの醸出金50万円を加えた150万円を基金に綿業会館建設が決定されました。同時期、大阪城天守閣の再建を望む市民から寄せられ た寄付金も同じ150万円。現在の金額だと60~70億円になるそうです。

 1931年に日本綿業倶楽部の建物として竣工し、翌年1月1日に会館しました。渡辺節氏によって設計されたこの建物のヘッドドラフトマンは村野藤吾氏が担当していました。各部屋はさまざまなスタイルを持っており、世界各国の来賓や、会員の好みに応じて好きな部屋を選んでもらいたいという設計者の配慮によるものです。

 常道として、外観と内部とは同じ方式に統一するのが普通であるのに、なぜ渡辺節氏は、このような建物を計画したのかは「綿業会館の設計と私」と題した文章で以下のように記しています。「会員の好みに応じて好きな部屋で楽しんでもらい、(単一の様式による)不満がいくらかでも解消されると考えたからで、(中略)その結果こうした変った雑多なスタイルの会館が出来上がったわけである」

 大阪大空襲で一面の焼け野原になったなかで奇跡的に綿業会館が焼け残ったのはパトロンの存在と、それにこたえ得る一流の技術があったからだと言われています。1997年には本館が登録有形文化財に指定されました。


綿業会館
1931(昭和6)年
重要文化財
設計 : 渡辺節設計事務所、村野藤吾(設計主任)
施工 : 清水組
大阪市中央区備後町2-5-8
撮影 : 2007.1.14 & 2014.4.1 & 4.26
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 御覧のように休館日。毎月第4土曜日には開放されるそうです。あれっ、玄関のガラスに撮影中の自分の姿が写ってしまった。
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 「社団法人日本綿業倶楽部」と「重要文化財」のプレート。
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 素晴らしいアイアングリル。
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 落着いたレンガ色のタイル貼り。ビル自体は大きくありませんが、階毎に異なった形をした窓がいいですね。

偶然通りかかったら、開いていました。美しい内部の写真です。
撮影 : 2014.4.1

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 つい先日1階のホールまで見てきたばかりですが、そのあとムニュさんから、見学会のお誘いがあり行ってきました。今回は堂々とした公式訪問(笑)なので、心おきなく奥まで素晴らしい内装を見学できました。
撮影 : 2014.4.26


ホール(1F/2F 吹き抜け)
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 この前見た1階ホールを別の角度から。
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会員食堂(1F)
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 1階ホール横にある会員食堂。装飾天井はミューラル・デコレーションというそうです。アーチ窓には透かし彫りのガラスが美しい。
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談話室(3F)
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 3階に上がって談話室へ。英国調のルネッサンス初期、ジャコビアン・スタイルだとか。吹き抜け天井や上質の木材を使った階段など、豪華絢爛です。
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 素晴らしいタペストリーが壁に貼ってあります。京都の泉湧寺の窯場で焼かれたものだそうです。
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特別室(3F)
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 貴賓室とも呼ばれる特別室。天井や家具は華麗なクイーン・アン・スタイル。
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会議室(3F)
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 特別室とドアを介して続き部屋の会議室は通称「鏡の間」。装飾が少ない部屋ですが、天井照明などセンスがいいデザイン。パンフレットによるとアンピール・スタイルと言われるとか。
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グリル(BF)
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 地下にあるグリル。モザイクタイルが見所。
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 昔のままの鉄扉がるエレベータに乗って7階へ向かいます。
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大会場(7F)
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 7階の大会場はヴォールト天井のすっきりとしたデザイン。アダム・スタイルというそうです。
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 1階のエレベーター横にある郵便箱。上の階から投げ込まれた郵便物がここに落ちてくるようになっています。
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by gipsypapa | 2007-11-01 15:08 | 建築
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