大阪の吹田文化創造交流館 (旧西尾家住宅)

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 明治時代に建てられた純和風の住宅。主家は三つの棟で構成されています。
 、表門に向かって玄関棟と、これに平行させて二階造の母屋棟が建ち、鞘の間(さやのま)と呼ぶ渡り廊下でつながれています。さらに母屋棟と玄関棟の東側土間部分に、棟を直交させた計り部屋棟が連なっています。

旧 西尾家住宅 主家 1895(明治36)年
撮影 : 2007.4.14
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 明治時代の日本家屋にしては洋風なガラス戸です。理由は大正14(0000)年に離れを増築した際に、このような一間の畳縁に変更され、ガラス戸が備えられたとか。ガラスは全てカットガラスが使用され、武田五一の指導によるものです。
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 玄関棟:玄関の間。格式高い、特別の日や賓客を迎えるときに使われた建物です。奥の部屋は茶室「味々庵」。
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 母屋棟:客座敷 広縁、カットグラスのガラス戸を中から見ています。元々は四尺の板縁あった縁側を、大正14年に武田五一の指導によって、このような一間の畳縁に変更され、ガラス戸が備えられたそうです。
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 座敷にある鐘型の飾り。下に方位を示すような・・・何に使われたのでしょう。

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 明治の純和風の家屋ですが、灯具や釘隠しのデザインは近代的。
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 電話室。
戸口には「電話壱番」の札がかかり、吹田で最初に電話を敷設したのが当家との事。現在の電話番号も0001番です。ちなみに二番目が吹田駅前の「アサヒビール」だそうです。
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 調理場。
元は土間敷きで「かまど」が設けられていたそうですが、いつの頃か「かまど」を屋外に出し、今の姿に改造されたとみられています。三個の調理台は武田五一の設計だそうです。
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 大きな刃型開閉器を備えた配電盤に合わせて大理石の床板が貼られています。むき出しですが、個人的にはこのレトロな雰囲気が気に入りました。この調理場の改造全体に武田五一が関わっていた可能性があります。

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 他にも興味深い建物が残っています。
↑ は四腰掛(よつこしかけ) 明治39(1906)年頃
 築桂離宮にある卍亭の写しと言われ、四腰掛と宝形屋根、卍形に配された腰掛など特徴があります。
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 茶室 明治26(1893)年築
 庭園の北側に在る茶室は、茶道薮内流家元(京都市)の茶席燕庵と、同じく雲脚席の写しを組み合わせたもので、当主の号に因み積翠庵と名づけられました。
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 表門 明治36(1903)年築
 
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 最後に屋敷の塀にあるアーチ型の小さな戸口。昔、屋敷から水田に小船を出すところだったそうです。ただこの部分は明治時代ではないでしょうから、この辺にも武田五一の関わりがあるというのは考えすぎでしょうか。
by gipsypapa | 2007-05-06 22:15 | 建築 | Trackback | Comments(4)
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Commented by daikatoti at 2007-05-07 20:17
久しぶりの住宅のような気がしますが・・、やはり人が実際に生活していた建物というのに、私などは興味があります。この西尾家は、和も洋も
いいですね。この畳縁や、カットガラスを贅沢に使った窓などすばらしいです。私などはこういった生活臭のようなところに興味をもつのですが
gipsypapaさんは、建物のどういったところがお好きなのか、ちょっと
そういうことが知りたくなりました。やはり、建築学的というのか構造的な
ことに一番関心がおありなのでしょうか。
^-^、ここまでのめり込む人の頭の中に興味があります。
Commented by gipsypapa at 2007-05-08 11:02
daikatoti さん、ここはやはりカットグラスの窓が一番の見所でした。古い近代建築に惹かれるのは、今のように規格化してコストを下げるのではなく、注文主や設計者が自分の好みにオーダーメイドして個性的な表情をしているからでしょう。
私がのめり込む?のは toti さんが、古いガムの包装紙や消しゴムを保管していらっしゃるのと大差はないような。(笑)
元々この手の古い洋館は好きでしたが、今のように系統的に見るようになったのは、実は健康のためです。成人病のオンパレードで医者に歩くことを強く勧められました。最初は近場のハイキングコースを歩いたりしていましたが、そのうち行き尽くしました。目標がなくなりかけたころ、たまたま須磨に行ったときに、今はなきヴォーリズの室谷邸にめぐり合ったのが始まりです。建物を見に行くという目標ができたら、どこに行こうかと悩む必要がないし、ついでに楽しめます。
何に関心があるか、ですか・・。私は建築学科ではありませんが、技術系なので建物の構造や支持の仕方にも気になりますが、やはり一番の関心はデザイン、意匠です。色々な建物を見るうちに、設計者の特徴が見えてきます。そういう発見をするのがうれしいのです。
Commented by daikatoti at 2007-05-08 19:17
なるほど、健康のためということもあったわけですね。そんなに
成人病のオンパレードだったんですか、それはいけませんね。
自慢ですが、健康診断優等生です。「何処もわるいとこありません、
生き方を考え直したほうがいいですよ、長生きしますよ」と、医者に
いわれてしまいました・・・
Commented by gipsypapa at 2007-05-09 14:17
daikatoti さん、優等生ですか。一般的に女性は強いです。妻も同じものを食べているはずなのに優等生。違いは酒量と運動量ですが、それに加えて女性の体の強さでしょう。
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