北投温泉博物館

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大正初期に日本の静岡県伊豆山温泉を模して建てられたという北投温泉公共浴場。当時は東南アジア最大の公共浴場だったとか。しかし、戦後になって、国民政府が台湾に進駐して以来、温泉浴場は接収されて、1階は民衆服務社と温水プールに改造されたりしましたが、間もなく使用停止となり、その後は放置されて、その存在すら忘れられ、荒廃していたようです。

ネット情報では、1994年に北投小学校の教師と児童たちが郷土学習中に、この荒れ果てた公共浴場を発見、この浴場を保全する陳情書を提出しました。願いは通じ1997年に政府が市定古跡に指定するとともに、翌年には北投温泉博物館として整備されました。台湾で初めて地元住民の力によって保存された古跡として、北投文化のシンボルになっています。

建物は2階建てで、1階はレンガ造り、2階は木造で、外観は和洋折衷の意匠になっています。建設当初は、1階が大浴場、2階は木造の休憩エリアで、レストランや娯楽室ありました。設計は台湾で数多くの官庁建築を手がけ、台北市では、総統府、台北賓館、監察院、総統副総統文物館をすでに紹介した森山松之助。台北市三級古蹟のレンガ造り、一部木造、2階建て。

北投温泉博物館
旧北投温泉公共浴場
1913(大正2)年
台北市三級古蹟
設計 : 森山松之助
施工 : 不明
台北市中山路2号
撮影 : 2016.9.4
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利用客は一階で入浴して着替えを済ませ、階段を上がって2階の畳敷きのホールで休憩し、展望テラスから風景を眺めたりしたようです。
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博物館なので、展示物があります。これは間違いなく富士山ですね。
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意味不明の象形文字みたいなものも。
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縦長窓の右下にチラリと見えるのは800キロの巨大な北投石です。
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二階にあがると・・・
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畳敷きのホールがあります。ここはレンガ造りの上に建つ木造です。
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日本と同じ格天井。
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四方に障子、ここは休憩して涼み、お茶や食事、囲碁・将棋などが楽しめる場所でした。
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1階に戻ります。
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1階は元々大浴場、戦後国民政府が接収してからは、温水プールになっていました。
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縦9メートル、横6メートルあり、男性専用だったようです。
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美しいステンドグラス。
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詳細は不明ですが、荒廃していたらしいので、博物館として整備した時にリニューアルしたのではないでしょうか。
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これ以降はネットの写真を借用しています。
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by gipsypapa | 2017-08-18 08:33 | 建築
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