新宮市の西村記念館

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 新宮市のお目当ての一つ、西村記念館。このブログですでに倉敷にある日本基督教団倉敷教会若竹の園保育園舎幼児保育棟若竹の園保育園舎事務室棟を紹介した西村伊作の自邸です。

 ここ和歌山市新宮町に生まれた西村伊作(にしむら いさく1884 - 1963)は日本の教育者。文化学院の創立者としても知られるとともに、大正、昭和を代表する、建築家、画家、陶芸家、詩人、生活文化研究家など自由闊達に、鮮烈に生きた人物でした。

 自由な考え方は、建築設計にもいかんなく発揮され、そのころ新たに興った住宅改良の動きの中で、家族本位の文化的なライフスタイルを目指した作品といわれています。当時としては画期的だった、居間を中心とした間取りや、自から工夫した上下水道の設備、実用的でシンプルな家具など、楽しく心地よく暮らために工夫した近代的な住宅です。

 外観は洋風住宅ですが、構造的には従来の日本の木造建築。内部は1階が居間と食堂、2階には寝室と浴室を配置した、アメリカの住宅を倣ったものだとか。

 西村伊作の建築設計はすべて独学だったそうで、ほとんどはアメリカの雑誌や本から知識を得ていたそうです。そういう意味ではほぼ独学で多くの建築を残したW.M. ヴォーリズと同じで、作品的にも共通した匂いを感じます。この住宅は郊外型住宅の初期の遺構として高い歴史的価値を有することから、国の重要文化財に指定された、木造2階建て。

西村記念館
旧西村家住宅(西村伊作邸)
重要文化財
1914(大正3)年
設計 : 西村伊作
施工 : 岡崎松次郎
新宮市新宮7657
撮影 : 2013.11.26
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 佐藤春夫記念館で見た門と同じデザイン。
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 評価が分かれるところかもしれませんが、洋館として感じる違和感は、軒先から下がっている雨よけの幕板。「ガンギ」という、紀伊半島南部の山間の民家で見られる方式で、伊作の故郷へのこだわりが垣間見えます。
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 1階の南側には日当たりのよい居間。中央の家具は伊作オリジナルデザインのもので、センスの良さを感じます。
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 食堂。居間とガラス戸を挟んで部屋続きになっています。当時では先進的な家族本位の住宅を目指したのがわかる間取りです。
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 食堂の東側にあるベイウィンドウ。
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 ガス灯が残っています。
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 古ぼけた皮鞄。D. Oishi と書いてあります。父方の叔父だった大石誠之助(アメリカ留学後医師になり、大逆事件で刑死)の遺品でしょうか。
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 台所の造りつけの食器棚も伊作のオリジナル。
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 2階に上がります。
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 洋間の寝室。
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 もう一つの寝室は畳に床の間がある和室。
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 2階には浴室があります。
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 屋根裏も見せてもらいました。
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 屋根の支持構造は和風です。
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by gipsypapa | 2014-05-08 11:17 | 建築 | Trackback | Comments(2)
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Commented by j-garden-hirasato at 2014-05-10 07:15
建物自体をもう少し手を加えて、
綺麗にしたい気もしますが、
斬新なデザインです。
内装、家具などの調度品も、
デザインセンスが抜群ですね。
「西村伊作」
どこかで聞いたことがあるなあ、
と思っていたら、
文化学院の創立者ですか。
思い出しました。
最近、物忘れが激しくて…(苦笑)。
Commented by gipsypapa at 2014-05-11 08:08
j-garden-hirasato さん、
なにしろ洋館としては数少ない
重要文化財ですから
整備や補修に使うお金は
どのくらいかは知りませんが
国からもらえるはずです。
また 「西村記念館」を守り伝える会が管理していますので
上手に保存されるでしょう。
そうそう、文化学院はj-garden-hirasato さんに
写真を見せてもらいました。(^^)
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