函館市立図書館旧本館

c0112559_11262739.jpg
 函館公園の南側の一角に大正から昭和初期に建設された図書館があります。現在は市立図書館の施設は五稜郭に移転してしまったため空き家になっています。

 建物は1棟に見えますが、2期に分かれて立てられました。現在の正面玄関がある本館の建物は昭和初期のもので、その背後にある5階建てが大正時代に建てられた部分です。

 本館棟は昭和2年の完成で、元々は正面玄関を中心とした左右対称形でしたが、1963(昭和38)年に向かって右側に閲覧室が増築され右側が広くなっています。

 中央1階部分は半円アーチの奥に通用口があり、左右から階段を上った2階が中央玄関になっているのが珍しい。玄関ポーチの大円柱や上部の三角ペディメント、3連の半円アーチ窓とレリーフが様式主義的な意匠です、そのほかは意外に簡素なイメージです。

 内部にも見どころが多いようで、特に多様なステンドグラスがよさそうです。この辺は「関根要太郎研究室@はこだて」「旧函館市立図書館の今」にある写真をご覧ください。

 設計はこのブログで函館市公民館旧函館市立弥生小学校を紹介した函館市建築課の小南武一。鉄筋コンクリート造り3階建て。

函館市立図書館旧本館
1927(昭和2)年
設計 : 函館市建築課(小南武一)
施工 : 堀田組
函館市青柳町17-2(函館公園内)
撮影 : 2013.8.29
c0112559_11283068.jpg
c0112559_11285793.jpg
c0112559_1129989.jpg
c0112559_11292084.jpg
c0112559_11293173.jpg
c0112559_11294116.jpg
c0112559_1130583.jpg

旧函館市立図書館書庫
c0112559_1132768.jpg
 本館棟とつながっているのでわかりにくいのですが、本館の背後にある5階建て部分は大正5年に建てられた書庫棟です。

 本館ができるまではこの書庫棟だけがあったと考えると、形状が幅広で薄っぺらいのが不思議な気がします。想像するに本館ができるまで11年間のギャップがあるにしろ、本館が増設されるのを前提に建てられた可能性があります。

 昭和9年の函館大火にも耐え、貴重な資料が守られたといわれ、防火機能的に優れた建物です。こちらの設計はかの辰野金吾の辰野葛西建築事務所。施工は明治から大正にかけて旧函館区公会堂などを手掛けた北海道屈指の工事請負人、村木甚三郎とその息子の村木喜三郎。鉄筋コンクリート造り5階建て。

旧函館市立図書館書庫
1916(大正5)年
設計 : 辰野葛西建築事務所
施工 : 村木甚三郎、村木喜三郎
c0112559_11325297.jpg
c0112559_1133355.jpg

by gipsypapa | 2014-01-30 11:35 | 建築 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://gipsypapa.exblog.jp/tb/21576139
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by j-garden-hirasato at 2014-01-31 21:21
空家というのは、実にもったいない!
老朽化を進めるだけですから…。
こういう施設管理こそ、
民活で、どんどん貸し出せばいいのに、
と思ってしまいます。
Commented by gipsypapa at 2014-02-01 09:34
j-garden-hirasato さん、
全く同感です。
図書館でなくとも美術館か博物館で似合います。
図書館だったら閲覧室なんかは広いでしょうから
民間だったら
催し物やコンサートとか
利用方法のアイデアはたくさん出そうです。
もしかしたら耐震強度の問題があるのかもしれません。
Commented by 武麿.jp at 2014-12-02 01:44 x
函館市のホームページによると、どうやら補修と設備工事をして、現在は中央図書館の書庫として使用してるようですよ。
Commented by gipsypapa at 2014-12-02 07:30
武麿さん、
なるほど。
引用したブログ「旧函館市立図書館の今」では
書架が空っぽですが
今は本が並んでいるのでしょうね。
<< 函館の若林家住宅 旧函館博物館2号 >>