青森銀行記念館

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 弘前公園の南側にはレトロな建物が並んでいますが、これもその一つ。明治37年(1904年)青森銀行の母体となった旧第五十九国立銀行本店本館だったものです。現在は青森銀行記念館として一般公開されています。

 ルネッサンス風の意匠を基本にした左右対称の外観。正面中央に展望台を設けた明治洋風建築で、防火建築として瓦貼り漆喰塗籠、窓は防犯・防火のため土戸(土と漆喰で固めた引戸)など、日本の土蔵造りの技術が使われています。地方小都市に残る明治建築の中で、意匠的にも特に優れたものの一つとして国の重要文化財に指定された木造2階建て。

 設計と施工はこのシリーズで何度も出てくる地元の名棟梁、堀江佐吉(1845 -1907)。後に堀江佐吉の名前が明治期の日本有数の棟梁建築家として注目されたのはこの作品によるものだそうです。堀江佐吉は祖父の代からの藩主お抱え城大工の家に生まれ、明治12年、34歳のころから函館の開拓使の工事に参加して、洋風建築の技術を習得したと言われています。東北に洋風建築を根付かせた第一人者で、大工組合の初代会頭も務めたとか。

 このブログでは佐吉以外にも何度か堀江の名前が出てきます。数多い息子たち(少なくとも9人いるようです)も棟梁として活躍し、堀江組800人と呼ばれた一大勢力を誇ったのです。

青森銀行記念館
旧第五十九銀行本店本館
1904(明治37)年
重要文化財
設計 : 堀江佐吉
施工 : 堀江佐吉(堀江組)
弘前市元長町26
撮影 : 2013.8.27
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 入館料200円で内部も見学できます。ところが私が訪ねた日は火曜日で、たまたま週一回だけの休館日でした。残念。ということで内部写真は「弘前の洋館建築」というHPをどうぞ。
by gipsypapa | 2013-12-28 09:27 | 建築
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