豊橋市市制25周年を記念して昭和6年に建てられ、今も現役の公会堂。大階段とコリント式列柱による玄関と回廊がまず目に入ります。玄関両脇に立つ階段室が堂々とした様式主義的な正面ファサードを形成。上部の半球ドームと四方に配置された羽ばたく大鷲がシンボルになっています。 ロマネスク様式(城閣風)といわれ、壁面頂部の小アーチが連なるロンバルジアバンド(帯状の装飾)、半円アーチを形成する列柱や窓、そして玄関ホールの天井のリブヴォールトなどがその特徴。 一方、階段室の半円形ドーム屋根はモザイクタイルで幾何学的に波形を描き出していてイスラムのモスクを連想させます。また随所に用いられているステンドグラスやタイルにセセッションの影響を見ることができ、単純なロマネスク様式に様々な様式を混在させたものといえます。 現在は講演会や式典、舞踊大会、歌謡大会など幅広く利用されているようで、この日はコスプレの大会の練習?が行われていたようで、若者が多かったです。 設計は辰野葛西建築事務所に入ったのち、朝鮮銀行の建築顧問として多くの銀行建築を手がけた中村與資平(なかむらよしへい、1880 - 1963)。朝鮮銀行大連支店や朝鮮銀行奉天支店のほかに、国内でも遠州銀行本店(現 静岡銀行浜松営業部)、静岡銀行本店、静岡市役所、静岡市公会堂、静岡県庁本館などが現存しています。静岡市に作品が多いのは、彼が現在の浜松市出身のためです。国の登録有形文化財の鉄筋コンクリート造3階建て。 豊橋市公会堂 1931(昭和6)年 登録有形文化財 設計 : 中村與資平(中村工務所) 施工 : 松村組 豊橋市八町通2-22 撮影 : 2011.9.23
by gipsypapa
| 2012-12-07 13:06
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