博物館明治村 菊の世酒蔵

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 この建物は、西洋館の多い明治村の中では珍しく和風瓦葺の蔵であって、梁間九間(約16m)桁行十八間(約33m)、外壁に厚い土壁を塗り廻した二階建部分と、幅二間(約3.6m)の吹き放ちの庇部分からなる。明治28年(1895)愛知県の刈谷にあった菊廣瀬酒造の仕込み蔵として建てられたが、もとは明治の初め刈谷から程遠くない三河湾近くの新川(碧南市)に穀物蔵として造られたものを移したという。

 明治村は、昭和44年(1969)この建物を解体保存していたが、十数年を経た昭和58年(1983)12月に移築公開した。移築に当たり、広い蔵の内部を明治村の収蔵庫兼展示場に利用するため、鉄筋コンクリートで新たに地下室を設けるとともに、内部構造の一部を変更した。南半分は旧来の蔵造として遺したが、北半分は鉄筋コンクリート造に置き換え、下見板を張り廻して外観の様式を整えた。

 尚、蔵造部分の一階には、酒蔵に因んで、酒造りに関する多数の資料を展示しており、入口の杉玉もその一例である。

 大屋根を支える小屋組は、古い民家の形式である。梁間を三等分し、中央の部分を本屋、両側を下屋といい、本屋は背の高い二本の独立柱を立て大梁を架けて鳥居形とし、上に和小屋を組む。下屋は外壁の側柱から登り梁を本屋桁に掛け渡している。


博物館明治村 菊の世酒蔵
1868(明治初)年ころ
登録有形文化財
設計・施工 : 不明
旧所在地 : 愛知県刈谷市銀座
犬山市内山5-64博物館明治村内
撮影 : 2012.3.10
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 酒造りは、雪国や山村の農民、漁民ら出稼者で組織される「蔵人」にまかされる。蔵人の引率者が「杜氏」、その補佐が「頭」と呼ばれる。その下に、酒造りの大切な工程麹づくりの責任者「大師」(麹師などともいう)、醗酵のための酵母菌をふやす作業の責任者「廻り」が続く。また、道具の管理、酒しぼり、蒸米など役割に応じて責任者が決められ、それら責任者の下に「上人・中人・下人」らの職人がいた。この菊の世酒蔵内には、酒造りの道具が工程順に置かれ、当時の酒造りの様子が偲ばれる。
by gipsypapa | 2012-11-29 14:29 | 建築 | Trackback | Comments(2)
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Commented by j-garden-hirasato at 2012-12-01 09:45
木造で、
これだけ規模が大きいと、
さすがに迫力があります。
相当の量のお酒が出来たのでしょうね。
Commented by gipsypapa at 2012-12-03 13:08
j-garden-hirasato さん
この建物は前面から見ると普通ですが、
斜面にある裏側から見ると大規模です。
よく残っていました。
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