博物館明治村 ブラジル移民住宅

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 明治41年(1908)の日米紳士協約により、アメリカへの新規移民が大きな制約を受けるようになると、代わって南米への移民が開始され、明治41年(1908)には781名の日本人が契約労働者として笠戸丸ではじめてブラジルへと渡航、サンパウロ周辺でコーヒー栽培に従事した。その後、ブラジルへの移民は年々増加し、昭和初年の最盛期にはその数は年間二万数千人にも及んだ。

 この建物はある日本人移民が、慣れないコーヒー栽培に苦闘を重ねながら、密林を拓いて造った家の一つである。現地産の堅い木材を加工して造られているが、入植者の中の日本人大工の手が入り、小屋組、継手、仕口等には和風の工法が使われている。一方、二階に設けたベランダや、片開き板戸を付けた窓、スペイン瓦を葺いた屋根等、土地の風土に合わせた素朴さがただよっている。現在裏側になっている下屋が入口と台所を兼ねていたと思われ、下屋から二階の居室への内階段が設けられている。尚、建物横手の外階段は後補のものである。


博物館明治村 ブラジル移民住宅
1919(大正8)年
登録有形文化財
設計・施工 : 不明(日本人大工)
旧所在地 : ブラジル・サンパウロ州 レジストロ市
犬山市内山4-39博物館明治村内
撮影 : 2011.9.22
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 瓦は粘土をこねて成型、燃成されるが、世界各国で様々な形が発達した。
●和瓦 中国伝来の形が日本的に進化したもので、平瓦、丸瓦、桟瓦、鬼瓦、巴瓦等、使用する個所によって様々な形がある。
●洋瓦 和瓦に対し、西欧で使われた形のもので、スペイン瓦、フランス瓦、イタリア瓦、イギリス瓦等それぞれに特色を持つ。

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by gipsypapa | 2012-10-26 09:36 | 建築
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