博物館明治村 西郷從道邸

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 木造総二階建銅板葺のこの洋館は、明治10年代(1877~1886)のはじめ西郷隆盛の弟西郷從道が東京上目黒の自邸内に建てたものである。西郷從道は、明治初年から度々海外に視察に出掛け、国内では陸・海軍、農商務、内務等の大臣を歴任、維新政府の中枢に居た人物で、在日外交官との接触も多かった。そのため「西郷山」と呼ばれる程の広い敷地内に、和風の本館と少し隔てて本格的な洋館を接客の場として設けたのである。

 在日中のフランス人建築家レスカスの設計と考えられ、半円形に張り出されたベランダ、上下階の手摺等デザインもさることながら、耐震性を高めるための工夫がこらされている。屋根に重い瓦を使わず、軽い銅板を葺いたり、壁の下の方にレンガをおもり代わりに埋め込み、建物の浮き上がりを防いでいること等にその現れをみることができる。

 レスカスは明治5年(1872)には生野鉱山の建設に従事、同6年には皇居の地盤調査にも参加している。また、ドイツ公使館や三菱郵船会社の建物を設計し、明治20年頃まで建築事務所を開業していたが、その傍ら、日本建築の耐震性についての論文をまとめ、自国の学会誌に寄せている。

 二階各室には丈の高い窓が開けられている。フランス窓と呼ばれるもので、内開きのガラス戸に加えて外開きの鎧戸が備えられ、窓台が低いため、間に鉄製の手摺が付けられている。

  窓上のカーテンボックス、手摺、扉金具、天井に張られた押し出し模様の鉄板、そして流れるような曲線の廻り階段等、内部を飾る部品は殆ど舶来品と思われる。特にこの廻り階段は、姿が美しいだけでなく、昇り降りが大変楽な優れたものである。


博物館明治村 西郷從道邸
1877(明治10)年代
重要文化財
設計 : J.レスカス
施工 : 不明
旧所在地 : 東京都目黒区上目黒
犬山市内山1-8博物館明治村内
撮影 : 2011.9.22 & 2012.3.10
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 西郷 従道(さいごう じゅうどう / つぐみち、天保14年5月4日(1843年6月1日) - 明治35年(1902年)7月18日)は、日本の武士・薩摩藩士、陸軍軍人、海軍軍人、政治家、元老。階級・位階・勲等・功級・爵位は、元帥海軍大将・従一位・大勲位・功二級・侯爵。
 かの西郷隆盛の実弟です。隆盛が明治10年(1877年)の西南戦争で反乱を起こした際、従道は兄隆盛に加担せず、陸軍卿代行に就任し政府の留守を守った。以後は政府内で薩摩閥の重鎮として君臨した。
by gipsypapa | 2012-09-14 13:05 | 建築 | Trackback | Comments(4)
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Commented by j-garden-hirasato at 2012-09-15 20:25
青い外壁と広いデッキが個性的ですね。
調度品も当時のものでしょうか。
軍人の邸宅らしい雰囲気が漂っています。
Commented by gipsypapa at 2012-09-16 20:34
j-garden-hirasato さん
築年は明治10年代とあります。
明治10年といえば西郷隆盛の西南戦争の年です。
弟ながら政府に残った弟の気持ちはどうだったのでしょう。
一方ではそう時間が経たないうちに
こんなすごい洋館を建てたわけで・・・
調度品も当時のものらしいです。
贅を尽くしていますね。
Commented by kafe3232 at 2012-09-18 05:27
家具や、装飾品のすばらしいこと・・・
カーブした、テラスがいいですね・・・
こんな家、今でも素敵・・・(^-^)
Commented by gipsypapa at 2012-09-18 10:36
レースの絵画がいくつか展示されていて、
それが素晴らしいです。
建物もいかにも西洋風で
ヨーロッパに行ったことが影響しているのでしょうね。
それに比べて、兄の西郷隆盛は鹿児島に引き込んだ後は
住宅も建てず、また昔の家にも帰らず、
狩猟ばっかりしていたとか。
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