明治42年(1909)に建てられたこの学習院長官舎も洋館と和館とをつなぎ合わせた形式になっている。学習院長という公的な立場での接客や実務には洋館部分を使い、私的な生活には日本座敷を用いた。立式生活の場である洋館は軒端が高くいかめしい造りで、洋風の下見板張の壁面には水切を兼ねた胴蛇腹が廻らされ、その上下に丈の高い上ゲ下ゲ窓が整然と並んでいる。一方、座式生活の場である和館は、総二階建であるが、洋館に比べ屋根が低い。 この学習院長官舎は、学習院が四谷から現在の目白に移された際、他の校舎とともにその構内に建設されたものであるが、当時の学習院長は陸軍大将乃木希典で、第十代目にあたる。 巾の広い階段室を間に、手前に洋館、奥に和館を接続させており、階段室の前には玄関ホールを設置している。この階段室を通って上下階とも洋館と和館の間を行き来できるようになっているが、さらに和館の奥に専用の階段が設けられている。玄関には鉄製の軽やかな屋根がかかり、その妻には桜の花弁を表した飾りが設けられている。 博物館明治村 学習院長官舎 1909(明治42)年 登録有形文化財 設計・施工 : 不明 旧所在地 : 東京都豊島区目白 犬山市内山1-7博物館明治村内 撮影 : 2012.3.10
by gipsypapa
| 2012-09-13 13:14
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