明治末期の北海道経済を担った小樽を代表する建物。いかにも銀行という重厚な造りです。 ルネッサンス様式の外観で、外壁は野幌産と大阪産レンガの表面にモルタルを塗り石造り風に仕上げています。銅葺きの屋根にはクプラ(通気口)のような小ドームと背面には大型のドーム。レンガ造りの建築技術に、屋根材に当時の最新材料であった鉄骨、床にはコンクリートなど次代の主役となる技術を取り入れているそうです。なお小屋組の鉄骨は八幡製鉄所の初期製品、床の鉄骨はイギリスからの輸入のI型鋼を使用。防火構造のとするため、屋根と床には石炭殻を混ぜたコンクリートを使用、窓に防火シャッターが使われています。 内部は日本銀行小樽支店時代の姿を残しており、岐阜県の赤坂産大理石が材料として使用されているロビーと営業場カウンター、煉瓦製の壁に鉄骨の持ち送りを組んで広い吹き抜けの空間を実現した営業場の天井。アイヌの守神であるシマフクロウをモチーフにデザインされた塑像が、内壁だけで12体、外壁には18体もありアクセントになっています。 設計は日銀の建築顧問であった辰野金吾(1854- 1919)に日本銀行技師だった長野宇平治(ながの うへいじ1867 - 1937)と岡田信一郎(おかだ しんいちろう1883 - 1932)の連名。辰野の指導のもと、明治30年以来、日銀の技師を務めたベテランの長野が全体のデザインを決め、岡田が図面を作成したといわれています。小樽市指定有形文化財と日本の近代遺産50選に指定された、煉瓦造り2階建て、地下1階、塔屋付。 日本銀行旧小樽支店金融資料館 旧日本銀行小樽支店 1912(明治45)年 小樽市指定有形文化財 日本の近代遺産50選 設計 : 辰野金吾、長野宇平治、岡田信一郎 施工 : 富樫文次 小樽市色内1-11-16 撮影 : 2010.8.24 & 25
by gipsypapa
| 2011-10-03 10:44
| 建築
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