愛知学院大学研究棟

c0112559_1314936.jpg
 愛知学院大学の西側の小高い丘にある城山八幡宮の境内に、八角形の塔がある珍しい建物があります。大正から昭和初期かけて、盛んだった青年会(青年団)の活動を推進するために、愛知県が精神修養の場として建てた昭和塾堂です。c0112559_1325748.jpg戦前は青年団の幹部や指導者の養成のための合宿や婦人会、修養団体が使用。戦時中は、陸軍(いかり部隊)や東海軍司令部として、戦後は名古屋大学医学部基礎医学系諸教室や、愛知県教育文化研究所、千種区役所仮庁舎として利用されたそうです。現在は愛知学院大学の大学院歯学部研究棟になっています。

 建物は上空から見ると、塔を中心に棟が3方向にほぼ120°に突き出した形状。「人造りの殿堂」として、上から見ても横から見ても“人”の字形に見えるようにデザインされたそうです。(右の写真はGoogle Earth から)

 本屋は2階建てで、2階部分は窓が3連アーチ型の塊がいくつも並び、屋根は日本風です
目を引くのは中央にそびえる立つ八角形の塔。和風というより中国の寺院のようです。頭に尖塔と飾りのある銅葺き屋根と、中華風の丸窓が周囲を取り巻いています。

 愛知県営繕課の設計ですが、設計者の一人、黒川己喜は黒川紀章の父で、建築家であり、俳人でもあるそうです。帝冠様式の先駆けとして、大正末期から昭和初期の建築様式をよく残した、建築史的にも貴重な近代建築。鉄筋コンクリート造地上2階、地下1階、塔は4階建て。

愛知学院大学研究棟
旧昭和塾堂
1928(昭和3)年
設計 : 愛知県営繕課(酒井勝、安藤武郎、黒川己喜(意匠図)、尾鍋邦彦(構造図))
施工 : 志水組
名古屋市千種区城山町2-90
撮影 : 2010.11.20
c0112559_1331658.jpg
c0112559_1332492.jpg
c0112559_1333167.jpg
c0112559_1333958.jpg
c0112559_1335256.jpg
c0112559_134051.jpg
c0112559_1341165.jpg
c0112559_1342196.jpg
c0112559_1343176.jpg
c0112559_1344091.jpg
c0112559_1345124.jpg
c0112559_135064.jpg
c0112559_1351325.jpg

by gipsypapa | 2011-08-02 13:06 | 建築 | Trackback | Comments(2)
トラックバックURL : http://gipsypapa.exblog.jp/tb/16676600
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by j-garden-hirasato at 2011-08-03 06:28
おもしろい建物ですね。
上から見る人って、
ほとんどいないと思いますが、
「人」の字というハッキリしたコンセプト、
というより、
遊び心でしょうか。
そのおかげで、
建物内の構造が、
実に複雑になってしまった、という気がしますが(笑)。
意匠も個性的で凝っています。
機会があったら、
行ってみたいですね。
Commented by gipsypapa at 2011-08-03 14:49
j-garden-hirasato さん
文化財指定を受けていない割には
興味深い建物です。
こういう風に多方向に張り出すと
日当たりの差がでるでしょうね。
こんな建物が少ないのはその理由からだと思います。
ともあれ面白いです。
早くいかないと解体されるかもしれませんよ。(笑)
<< 名古屋市の養心殿 愛知学院楠元学舎1号館 >>