日本工業倶楽部

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 今日から東京です。同窓会が東京であったので1泊しました。初日の夕方、会場の有楽町に向かうため、東京駅で降りて丸の内側をあるきました。

 JR東京駅の丸の内口を出たところにある日本工業倶楽部。大正中期に建てられた同業者が使うための倶楽部会館です。

 ルネッサンス様式のファサードに御影石のドリス式オーダーを持つ正面玄関にスクラッチタイルとテラコッタで覆われたビル建築。しかし玄関周りや軒蛇腹などが幾何学的にデフォルメされ、列柱上の照明ランプが歴史的な様式を幾何学的に分解したゼツェッシオン(分離派)の意匠を取り入れています。正面のパラペットにある石像は竣工時に近代日本の主要工業であった紡績(右側の糸巻きを持つ女性像)、石炭業(左のハンマーを持つ男性像)を表しているそうです。いわゆる倶楽部建築だけあって豪華な内装も素晴らしい。

 なお、不同沈下による傾きや老朽化のため、2003年に隣接して建つ三菱信託銀行本店ビルの高層化と一体の事業として保存・再生されたもので、保存されているのは西側3分の1のみとなっています。高層化工事で一部が破壊されましたが、ファサードと玄関ホール、大階段ロビー、大会堂、大食堂が保存復元されています。国の登録有形文化財の鉄筋コンクリート造り5階建て。

日本工業倶楽部
1920(大正9)年/2003(平成8)年再建
登録有形文化財
設計 : 松井貴太郎、横河民輔他(横河工務所)
内装設計 : 橘教順+鷲巣昌
施工 : 分業請負
千代田区神田丸の内1-4
撮影 : 2010.7.24
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by gipsypapa | 2011-06-21 13:13 | 建築
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