旧鴻池組本店

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 大阪市の西部、淀川の河口に近い此花区伝法(でんぽう)にある明治末期の建物。大阪の中堅ゼネコン鴻池(こうのいけ)組の旧本店と創業者鴻池忠治郎の旧宅です。白いモルタル塗りの外壁に赤と白のタイルで構成された線が横向きに走る独特の外観。日本におけるウィーン分離派(ゼツェッシオン)の初期の作品といわれています。

 設計者の久保田小三郎(1868~1934)は北九州市戸畑区にある西日本工業倶楽部(旧松本邸)の日本館の設計や辰野金吾の下で日銀本店(1896)の建設にも携わった建築家で、この建物にも辰野式を感じる人が多いのではないでしょうか。 

 ほとんど内部は公開されることはありませんが、内装は彫刻家で高村光雲の弟子の相原雲楽がデザインしたアールヌーボー意匠が残っているそうです。1982(昭和57)年に全国主要建築物に選定された建物で、外観からは煉瓦造りに見えますが、実は木造2階建て。

旧鴻池組本店
1910(明治43)年
設計 : 久保田小三郎(住友本店臨時建築部)
内部意匠 : 相原雲楽
ステンドグラス : 木内真太郎
施工 : 不明
大阪市此花区伝法4-3-55
撮影 : 2009.11.7
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 玄関上部には当時では珍しいステンドグラス。真ん中にある社章は「北」で,北伝法に位置することに由来するとか。
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 2階南面にはベランダが見えます。
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 こちらは隣接する鴻池忠治郎の旧宅だった和館。2階の格子戸と袖うだつが典型的な町家建築です。
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by gipsypapa | 2010-11-30 11:22 | 建築 | Trackback | Comments(10)
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Commented by kaetuya55 at 2010-11-30 18:13
明治末期とは言えモダンな色使いとデザインの建物ですね。
現代にも通じるものがあります。
しかし、この時代の建物は職方の技...って言うか、一品モノと言うか...
「こんな技、真似できないだろう!」って言う職方の気概を感じます。

最近、金沢の近代建築を意識して見るようになりました。
結構、残っているもんです。それも、現役で住居や店舗になっていたりしてます。
私も少しずつですが金沢の建築物をご紹介していきます。
Commented by ひろ009 at 2010-11-30 22:24 x
こんばんは。
旧鴻池組本店は私も大好きな建物で何度も出かけていますが、正面が北向きでなかなかここに美しく光が当たっている写真が撮れないんですよねえ。夏の早朝か夕方遅くか・・・。

私、個人的には色使いから”逆辰野式”と呼んでおります。
ここの色使いのような辰野建築ってありましたっけ?
Commented by j-garden-hirasato at 2010-12-01 07:04
横縞のデザインが今でも斬新です。
さすが、天下の鴻池組!ですね。
一般公開、してほしい物件です。
Commented by gipsypapa at 2010-12-01 15:06
kaetuya55 さん、
この一角はある意味、町外れでこれがよく目立ちます。
木造建築をこういう風に見せるのはなかなかの技ですね。
金沢は言ったことはありますが、建物に注目していないころで
ほとんどなにも見ていません。
有形文化財の若草教会や小泉家住宅など見たいものがあります。
アップされるのを待っています。
Commented by gipsypapa at 2010-12-01 15:09
ひろさん、ご無沙汰しています。
確かに日当たりがいいベランダ側は撮影ポイントがないし、
どうしても北側だけになります。
”逆辰野式”?
ははは、影響を感じるのは形状ですね。
特に中央頂部の破風(?)とか・・・
こんな色使いは辰野さんでは聞いたことはないです。
Commented by gipsypapa at 2010-12-01 15:11
j-garden-hirasato さん、
鴻池組は建物も手掛けているでしょうから、
もっと宣伝手段として活用して欲しいです。
これだけの意匠の建築物が文化財指定されていないということは、
申請していないからでしょうかね。
Commented by ひろ009 at 2011-12-17 10:27 x
こんにちは。ご無沙汰しています。

先日、旧鴻池組本店の内部を見学する機会がありました。
ブログに記事をアップしましたが、洋館のアール・ヌーヴォー家具やステンドグラス、和館の彫刻や欄間の透かし彫りなど、どれもが一級品で、ため息の出るような素晴らしいひとときでした。

建築士会の見学会など特別な場合を除いて一般公開までは計画されていないようですが(傷んだりしている部屋もあり?)、大阪が誇る屈指の近代建築とも言え、何とか活用・公開(期間限定でも)を考えて頂きたいものですね。
Commented by gipsypapa at 2011-12-18 20:36
ひろさん、
お久しぶりです。
ブログを見ました。
ステンドグラスと天井の装飾とか美しくて嬉しくなります。
また和館の内部も想像以上です。
どういう形でもいいので、
もっと内部の公開をしてくれないかな。
いいものを見せてもらいました。
Commented by ひろ009 at 2011-12-18 22:30 x
当方のブログへのコメントもありがとうございました。
洋館内部は想像以上に美しかったです。
和館については殆ど予備知識がなかったのですが、彫刻や透かし彫りなどが絶品でした。

今回の見学は受講している下記の講座の一貫でした。
私が参加しているクラスは今は満席でキャンセル待ちのようですが、
よろしければ一度検討されては如何でしょうか。
ブログ仲間も数人参加しています。

http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_436053.html
Commented by gipsypapa at 2011-12-19 14:01
ひろさん
了解しました。ありがとうございます。
考えま~す。
和館の2階のガラス窓。
外から見えないので、こんなに立派だとは思っても見ませんでした。
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