プレイリー・ハウス

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 函館元町の住宅街の通りから坂を下った奥まった場所に、周囲に多い擬洋風の建物とは全く違ったモダンなスタイルの住宅があります。一見してライト風とわかるこの建物は、建築家F.L.ライトの弟子で、大正から昭和にかけて北海道を拠点に活躍した田上義也(たのうえ よしや 1899~1991)の設計です。

 水平と垂直線を強調した外観で、長く突き出した軒。幾何学的モチーフの門扉や純白の外壁に採光に配慮して多めに配置された窓の形状や桟の造形美にライト式住宅の特徴が強く出た、上品で魅力的な作品です。

 函館の海産商だった佐田作郎の住居として建てられたもので、その後、すぐに同じ海産商の小熊家の住宅として長く使われました。現在はライトがシカゴ周辺で実践したというプレイリーハウス(草原洋式)に因んだ名称が付けられています。有形文化財と函館市景観形成指定建造物の木造2階建て

プレイリー・ハウス
旧佐田邸
1928(昭和3)年
登録有形文化財
函館市景観形成指定建造物
設計 : 田上義也
施工 : 不明
函館市元町32-10
撮影 : 2009.9.23
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 日本にライト風の住宅は弟子の遠藤新と田上義也の作品が数か所現存していて、個人的に好きなスタイルですので、今回の函館の目玉に一つでした。もちろん内部は見ることができませんでしたが、ネットにはいろいろ写真があります。一例をどうぞ。
 
 ちなみに、今年は小樽で同じ田上義也設計の江口邸(旧高田治作邸)と坂牛邸を見ることができましたが、MOA小樽センター(旧上田邸)はすでに取り壊されているのが判明しました。昨年解体されたようで、間に合わず残念です。
by gipsypapa | 2010-09-21 11:40 | 建築 | Trackback | Comments(2)
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Commented by j-garden-hirasato at 2010-09-24 06:20
凸凹が多いおもしろい意匠の建物です。
規模が大きい建物だと凸凹も目立たないのでしょうけど、
個人住宅の規模だと、
一層強調されますね。
Commented by gipsypapa at 2010-09-24 13:14
j-garden-hirasato さん、
建てられた時代を考えると、
何とも現代的な建物と言えます。
軒の張り出しが大きいのは、
ライト特有のバランス感覚なのでしょう。
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