旧函館市立弥生小学校

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 解体問題で話題になった旧函館市立弥生小学校。私が訪ねたすぐ後の昨年(2009)11月には解体工事が開始されたようなので、何とか間に合いました。

 2009年7月1日にBSジャパンの「にっぽんの原風景」という番組で函館をやっていました。女優の「とよた真帆」さんと函館を歩くという番組のかなりの時間を割いて、弥生小学校が映っていました。内部の様子も見ることができました。私がテレビで見る限り、まだちょっとした手入れをすれば使えるのにという印象でしたが、老朽化が見られるという真帆さんの発言もあり、その辺は画面からは判断できませんでした。

 何度も大火に襲われた函館市。1934(昭和9)年の大火のあとの復興都市計画の一環として建てられた、鉄筋コンクリート耐火構造の小学校の一つです。北側2カ所の建物角部分を曲面で仕上げ、階段室に丸窓が並ぶ他は装飾性のない、さっぱりとしたモダニズムの外観になっています。

  設計は函館市の技師だった小南武一。当時は復興事務局工事課建築係長でした。鉄筋コンクリート構造や不燃校舎を全国的にも早く採用した、函館の先進性を示す建築です。函館市景観形成指定建造物の鉄筋コンクリート製、3/4階建て。

旧函館市立弥生小学校
元弥生尋常高等小学校 1938(昭和13)年
函館市景観形成指定建造物
設計 : 小南武一(函館市復興事務局工事課建築係)
施工 : 森川組
函館市弥生町4-16
撮影 : 2009.9.24
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 テレビでも紹介されていましたが、コの字型に校舎を建て,校舎に囲まれるように中央にグランドがあります。(この建物の向こう側)大火の際,住民の避難所となるよう考えられているそうです。
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 解体・再生ではなく、補修・補強をという人たちの反対運動が実らず、結局は解体されたようです。昭和初期に全国に建てられた、いわゆる復興小学校は京都市や東京都に多く残って、有効活用されています。なんとかその道はなかったのでしょうか。函館を代表する貴重な財産が、建て直しされるとはいえ、消えてしまったのは残念です。
by gipsypapa | 2010-06-14 11:39 | 建築 | Trackback | Comments(2)
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Commented by j-garden-hirasato at 2010-06-15 20:35
残す努力、
何でできないんでしょうか。
壊すのは一瞬、
でも、二度と戻せません。
古いものを使う工夫、
地方こそ、もっと認識してほしいですね。
Commented by gipsypapa at 2010-06-16 09:57
j-garden-hirasato さん、
すでに閉鎖されて時間が経っていて
近くの別の小学校に合併されています。
遠くから眺めているだけなので、
実態がわからないので言えることかもしれませんが、
そのまま残して、他の利用方法がなかったのかなぁ。
京都市のような行政を上げての取組が欲しかったところです。
おっしゃるように壊したら、二度と戻りません。
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