相馬株式会社函館本社

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 市電通りと基坂の交差点の北西角に建つ、大正初期のルネッサンス様式の洋館。函館を代表する実業家の一人で、函館区公会堂の建設資金の大半を寄付するなど篤志家でもあった相馬哲平の相馬合名会社事務所でした。現在も不動産賃貸を主業とする相馬株式会社の函館本社として使用されています。なお、竣工年には1914(大正3)年という説もあります。c0112559_10544052.jpg

 建物は互いに接続された3つの建屋から成っていて、マンサード、寄棟、切妻の3つの形式の屋根が複雑に組み合わされています。市電通りに面しているルネッサンス様式の主屋の正面ファサードは単純な対象形ではなく、向って右側に少し突き出るような翼屋があります。

 外壁はモス・グリーンの幅広の下見板貼り。ルネッサンス様式の主屋の屋根には、正面左側に円形、東西中央部には切妻屋根の神殿風のドーマー窓を置いて変化を持たせています。窓は1階が三角ペディメント、2階が櫛形ペディメントの庇が付いた窓。このように使い分けるのはルネッサンス様式の特徴の1つだそうです。北側の建屋は切妻屋根の建屋で、1階中央のガラス部に格子が付けられた引き違い戸と、両脇に引き違いのガラス窓があり、こちらは、かつての作業場のような印象です。

 設計・施工は地元の筒井長左衛門といわれています。c0112559_10551086.jpg筒井は相馬哲平のお抱え請負師で、哲平に関連する建物や土木工事のほとんどを請負っているとか。函館市伝統的建造物の木造2階建て。

相馬株式会社函館本社
旧相馬合名会社
1916(大正5)年
函館市伝統的建造物
設計・施工 : 筒井長左衛門
函館市大町9-1
撮影 : 2009.9.24

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 南側の主屋につながる事務所だった建屋。
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 北側には切妻の作業場。
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 敷地の西側に建つ蔵も古そうです。
by gipsypapa | 2010-06-04 11:00 | 建築 | Trackback | Comments(2)
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Commented by j-garden-hirasato at 2010-06-05 05:25
屋根や窓の意匠が凝ってますね。
実物以上に大きく感じられます。
外壁の色も、
落ち着いた感じでいいですね。
それにしても、
電線の多さが気になります。
それが残念ですね。
Commented by gipsypapa at 2010-06-05 22:19
j-garden-hirasato さん、
大正というより明治を感じる建物ですね。
おっしゃる通り電線は気になります。
日本のいたるところで見かける風景ですが、
景観面もさておき、安全性からも地下に移設してくれないかな。
そういう機運はあるのでしょうが、
最近の都市の財政問題から簡単ではないようです。
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