高島屋東別館

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 大阪日本橋の電気街にある高島屋の東別館。もともとは松坂屋の店舗でしたが、大阪店が天満橋に移転した後に高島屋が買い取り別館として使用しています。現在はデパートではなく、一階にブライダルサロンやインデリアのテナントが入り、2階以上は高島屋の本社事務所と高島屋史料館があります。

 全体的にはルネサンス様式を基調とした装飾が少なめの外観ですが、1階にはアーチが並び、幾何学的なアールデコ・スタイルの装飾が散りばめられたテラコッタが使われたファサードを形成。内装もエレベーター周りの装飾や階段に大理石が惜しみなく使うなど、百貨店らしい上質な仕上げになっています。

 設計は静岡出身で名古屋を中心に活躍した鈴木禎次。おもな作品としては松坂屋本店、横浜松坂屋、岡崎銀行本店(岡崎信用金庫資料館)、旧名古屋銀行本店(三菱東京UFJ銀行貨幣資料館)、旧中埜家住宅(T’s Café)、豊田喜一郎邸、旧諸戸精太郎邸、伴華楼・揚輝荘、鶴舞公園奏楽堂噴水塔ミツカングループ本社(中埜酢店)、旧丸三麦酒ビール醸造工場(カブトビール工場)貯蔵庫棟名古屋市公会堂など。彼が大阪の建築を手がけたのは、名古屋に本店のある松坂屋の支店として建てられたからでしょう。鉄筋コンクリート造り、7階建て、地下2階。

高島屋東別館
旧松坂屋大阪店
1934(昭和9)/ 1937(昭和12)年
設計 : 鈴木禎次(鈴木建築事務所)
施工 : 竹中工務店
大阪市浪速区日本橋3-5-25
撮影 : 2009.6.9
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 1階正面に並ぶアーチにはテラコッタの濃密な装飾。
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 モザイク模様の床タイル。
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 玄関を入るとアールデコの雰囲気。
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 建物の外だけではなく中にも回廊(ガレリア)があります。
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 天井は漆喰仕上げ。雰囲気のある玄関ホールと天井照明。
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 重厚な大理石の階段。
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 3階にある高島屋史料館へはこの昔のままのエレベーターで上がります。照明や階数表示もレトロ。
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 ネット上で紹介されたことが少ない建物ですが、建設当初の内装がよく残されていて非常に貴重。一見の価値があります。この手の建物は、外から見ると敷居が高く感じますが、3階にある高島屋史料館(明治初期から京都画壇の巨匠、50余名の作家を中心に日本を代表する美術家の作品等を収蔵)は入場無料ですので、ついでに1階の内装を見ていくのがお勧めです。
by gipsypapa | 2009-11-09 14:10 | 建築 | Trackback(2) | Comments(4)
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Commented by ゼク at 2009-11-09 21:32 x
しかし、本当にため息物ですね。この時代の建物は今はもう作れない
でしょうね。ダイビルも解体されますが、やはり文化財として残して行かなければならない
建築物の一つだと思います。
Commented by j-garden-hirasato at 2009-11-09 22:03
内装の装飾も素晴らしいですね。
外観の重厚感もいいですし、
ぜひ、機会があったら行ってみたいです。
ただ、吉牛の看板が残念です。
Commented by gipsypapa at 2009-11-10 20:31
ゼクさん、
同感です。現代のコスト優先の風潮からはあり得ないです。
ダイビルはなんとか残せないものかといつも思います。
文化財登録はある意味はありますが、
思ったより恩恵が薄いようで、
かつ所有者が簡単に指定を取り消すことができるのが問題です。
須磨のヴォリズ建築の傑作のひとつだった室谷鄭が解体されて時に
文化財登録のもろさを痛感しました。
とはいえ、ここもその価値があるのは間違いないと思います。
Commented by gipsypapa at 2009-11-10 20:34
j-garden-hirasoto さん、
はは、言われてみると吉野家の看板は強烈ですね。
この周辺は大阪の電器屋街の日本橋です。
いつも賑わっていますが、ここはショウルームのようなもので、
お客さんが少ないのです。
おおさかに来る機会がありましたら、一度見てください。
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