東京都庭園美術館の内部(その2)~ガラス窓、照明と展示品

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 最後に細部を見ます。先ずは玄関を入ったら正面にある、正面玄関ガラス・レリーフ。この建物では外部にむかう窓は普通のガラスを使っていますが、部屋を仕切る扉のガラスには多様なデザインが施されていて、見飽きません。

東京都庭園美術館
旧朝香宮邸 1933(昭和8)年
東京都指定有形文化財
設計 : 宮内省内匠寮工務課
主要内装 : アンリ・ラパン(Henri Rapan)
施工 : 戸田組
東京都港区白金台5-21-9
撮影 : 2008.10.12
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これらの正面玄関ガラス・レリーフはルネ・ラリックのデザインです。
ルネ・ラリックは宝飾デザイナー、ガラス工芸家。
パリとロンドンでデッサンと彫刻を学び、1900年のパリ万国博覧会では、植物、昆虫、裸婦などをモチーフとした官能的な作品により、アール・ヌーヴォーの宝飾の分野においての第1人者となりました。 1906年には香水商コティから香水瓶のデザインを依頼され、これを契機にガラス工芸に着手します。芸術性も高く、なおかつ量産にも応えることのできるように考案された型押技法や型吹き技法を駆使し、カーマスコットなどの小品からモニュメンタルな大作まで幅広い制作活動を行ないました。1925年のアール・デコの博覧会においては、自身のパビリオンをもち、その傍らに記念碑的なガラスの噴水を制作するなど、アール・デコのガラス工芸家としても活躍しました。朝香宮邸においては正面玄関ガラス・レリーフ扉、大客室と大食堂のシャンデリアを制作しています。


 他にもエッチングガラス(サンドブラストで模様を掘り込んだもの)が多用されていて、いずれも美しい。
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 次は照明器具を見てみましょう。驚くのは部屋ごとに違ったデザインの燈具が使われていることです。
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 これはすでに紹介した大客室にあるルネ・ラリックのシャンデリアのような照明。
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 階段を上がったところにある2階ホールの照明タワー。唐草模様があります。
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 ベランダのひし形の照明。

 ああその前に全体の内装をデザインしたアンリ・ラパンの紹介を忘れていました。
アンリ・ラパン - 画家、インテリア・デザイナー。
新古典主義系統のジェロームに師事し、サロンには1900年頃から出品。1903年頃から サロンに家具を出品しはじめ、1910年代には凝った材質を用いシンプルに様式化した家具デザインを出品しました。1924年に国立セーヴル製陶所と装飾美術学校の美術部長に就任し、1925年のアール・デコ博覧会では装飾美術家協会の副会長として博覧会開催に力を尽しました。 同時に、自らもアール・デコ博において、フランス大使館パビリオンの大広間・食堂、 国立セーヴル製陶所パビリオンの庭園デザインをはじめ、多くのパビリオンで才を振るいました。朝香宮邸建築においては、1929年(昭和4年)に朝香宮自身から内装を依頼されました。


以下にそのほかのヴァラエティに富んだ器具を。
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 美術館ですから最後に展示品の一部を。これもルネ・ラリックの花瓶です。
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 わざわざ大阪から東京まで出かけてきたかいがありました。 当時の宮様のぜいを尽くした趣味に脱帽です。
3回にわたって紹介した東京都庭園美術館は、これで終わります。まだ東京を続けます。
by gipsypapa | 2009-01-10 17:55 | 建築 | Trackback | Comments(6)
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Commented by sy-f_ha-ys at 2009-01-10 20:15
gipsypapaさま、撮りまくりましたね(笑)。
以前は内部撮影はNGだったんですが、内部の調度品も撮影させて欲しいとの要望が多かったそうで、最近このような企画もするようになったと聞きました。
そう言いながら、もう5年くらい訪れていないので、今度このような企画があったときにでも行ってみようかなと思います。
Commented by gipsypapa at 2009-01-11 10:25
sy-f_ha-ys さん、
おかげさまで撮りまくりました。(^^)
高級一眼レフを抱えた、見学者で一杯でした。
部屋によっては間口が狭く、撮影も並んで待つような状態でした。
あらかじめネット上で案内を見たら、内部の撮影はフラッシュを
焚かない限り自由と書いてありました。
禁止だったら多分行く事はなかったでしょう。
午前中に入って、午後出ましたが、出るときにはゲートの前は
道路まで列が続いていました。
やはり撮影できるとなれば、行ってみようと思う人が増えるのではないでしょうか。
芦屋のロイドのヨドコー迎賓館も撮影自由にすれば、もっと見学者が
増えると確信しますが、いかが?(この場を借りてヨドコー関係者様へ)
Commented by sy-f_ha-ys at 2009-01-11 23:38
確かに仰る通りです(笑)
私もカメラを構えた瞬間、女性の係員の方に『撮影はご遠慮ください!』
と注意されました(--〆)
Commented by j-garden-hirasato at 2009-01-12 10:19
いやいや、素敵な装飾品ばかりです。
これでは、いくら時間があっても足りませんね。
ルネ・ラリックは諏訪に美術館があって、
何回か観に行きました。
国内でもいろいろな場所で、
活躍してたんですね。
Commented by gipsypapa at 2009-01-13 11:09
sy-f_ha-ys さん、
日本は美術館や博物館も撮影禁止が多いです。
海外はそういう場所もありますが、概ね大らかなようで嬉しくなります。
Commented by gipsypapa at 2009-01-13 11:18
j-garden-hirasato さん、
これだけの装飾を施すのは大変だったでしょう。
諏訪に彼の美術館があるとは知りませんでした。
那須高原にはエミール・ガレの美術館があるようですね。
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